LinuCレベル1 101試験の例題と解説
1.02.2基本的なファイル管理の実行
LinuCレベル1 101試験の出題範囲から「1.02.2 基本的なファイル管理の実行」についての例題を解いてみます。
ここでは、ファイルやディレクトリの移動方法について確認しておきましょう。
例題
次の選択肢の中で、/home/user/test.txtというファイルを/home/backupディレクトリに移動できないコマンドを選択してください。
- mv -r /home/user/test.txt /home/backup/
- mv -t /home/backup/ /home/user/test.txt
- mv -i /home/user/test.txt /home/backup/
- mv -n /home/user/test.txt /home/backup/
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「1. mv -r /home/user/test.txt /home/backup/」です。
mvコマンドは、ファイルやディレクトリの移動や名前の変更を行うコマンドです。
書式は以下の通りです。
mv [OPTION] SOURCE DEST
SOURCEからDESTへ名前変更が行われます。
mv [OPTION] SOURCE DIRECTORY
SOURCEからDIRECTORYへ移動が行われます。
mv [OPTION] -t DIRECTORY SOURCE
SOURCEからDIRECTORYへ移動が行われます。
選択肢の解説は以下です。
1.mv -r /home/user/test.txt /home/backup/
誤ったコマンドです。
-rオプションは、存在しないため、誤りとなります。
よって正解です。
2.mv -t /home/backup/ /home/user/test.txt
正しいコマンドです。
-tオプションは、移動先のディレクトリを指定するためのオプションです。通常、mvコマンドでは移動先のディレクトリをコマンドの最後の引数として指定しますが、-tオプションを使うことで移動先のディレクトリを先に指定することができます。
-tオプションで/home/backup/(移動先のディレクトリ)を指定して/home/user/test.txt を移動しているため、正しいコマンドになります。
3.mv -i /home/user/test.txt /home/backup/
正しいコマンドです。
-iオプションは、移動先に同名のファイルが存在する場合に上書きするかどうかを確認するための対話的モードで動作します。以下のように確認プロンプトが表示され、ユーザーが上書きの選択をします。
# mv -i /home/user/test.txt /home/backup/
mv: '/home/backup/test.txt' を上書きしますか?
4.mv -n /home/user/test.txt /home/backup/
正しいコマンドです。
-nオプションは、移動先に同名のファイルが存在する場合に上書きをスキップするためのオプションです。
すでに同名のファイルがある場合は、ファイルの移動を行いません。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 宮本 郁実