LinuCレベル1 101試験の例題と解説

1.04.4RPMパッケージ管理

LinuCレベル1 101試験の出題範囲から「1.04.4 RPMパッケージ管理」についての例題を解いてみます。ここでは、rpmコマンドのオプションの意味について確認しておきましょう。

Linucレベル1 101試験 出題範囲


例題

rpmコマンドの-eオプションの説明として、正しいものを選択してください。

$ rpm -e [パッケージ]

  1. -eは、「検査オプション」で、RPMパッケージの整合性を確認するためのオプションである。
  2. -eは、「パッケージ検索オプション」で、インストールされたRPMパッケージの情報を取得するためのオプションである。
  3. -eは、「削除のオプション」で、インストールされたRPMパッケージを削除するためのオプションである。
  4. -eは、「インストールとアップグレードのオプション」で、新しいRPMパッケージをインストールまたは既存のパッケージをアップグレードするためのオプションである。

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「3. -eは、「削除のオプション」で、インストールされたRPMパッケージを削除するためのオプションである。」です。

rpmは、「RPM パッケージマネージャー」コマンドであり、ソフトウェアパッケージのインストール、アップグレード、削除、検索、およびパッケージ情報の表示など、さまざまなパッケージ管理タスクを実行するために使用されます。

rpmコマンドの使用方法について説明します。

まず、指定するパッケージについてです。

rpmコマンドでは、問題文のように引数にソフトウェアパッケージを指定することがあります。

$ rpm -e [パッケージ]

パッケージは、使用するオプションによって、"パッケージ名"を指定する場合と、"パッケージファイル名"を指定する場合の2つのパターンがあります。

パッケージ名とパッケージファイル名の違いは、以下の通りです。

パッケージ名:
RPMパッケージの名前を指します。システムにインストールされているパッケージの名前です。

パッケージファイル名:
RPMパッケージファイルを指します。RPMパッケージファイルとは、パッケージを収めたファイルのことです。標準的に拡張子rpmのついたファイルとなっています。

以下、オプションの説明では、パッケージ名は[パッケージ名]、パッケージファイル名は[パッケージファイル名]と表記しています。オプションによってどちらを指定するのか、ということも押さえておきましょう。

次に、オプションについてです。

代表的なオプションの意味や書式は、以下の通りです。

# rpm -i [パッケージファイル名]

-i(--install)オプションは、指定したパッケージをインストールする際に使用します。

# rpm -U [パッケージファイル名]

-U(--upgrade)オプションは、指定したパッケージをアップグレードする際に使用します。現在インストールされているパッケージを新しいバージョンにアップグレードするか、インストールされていない場合は、パッケージを新たにインストールすることができます。

# rpm -e [パッケージ名]

-e(--erase)オプションは、指定したパッケージを削除する際に使用します。

rpm -q [パッケージ名]

-q(--query)オプションは、指定したパッケージを検索する際に使用します。

rpm -V [パッケージ名]

-V(--verify)オプションは、指定したパッケージに含まれるファイルの変更や損傷を検査する際に使用します。

パッケージの検査では、 パッケージ内のインストールされたファイルの情報と、rpm データベースに格納されているパッケージのメタデータから得られたファイルの情報を比較します。

例えば、ファイルのサイズ、 所有者、グループ等を比較します。問題がある場合には、問題に応じて文字が出力されるため、その出力結果から、ファイルの整合性に関する問題を識別し、ファイルを元の状態に戻すか、変更を許可するか等を判断します。

他にも様々なオプションがあります。意味と書式を確認しておきましょう。

選択肢の解説は以下です。

1.-eは、「検査オプション」で、RPMパッケージの整合性を確認するためのオプションである。

-Vオプションについての説明です。よって、不正解です。
例えば、rpmコマンドでpostfixの整合性を確認したい場合、以下のように-Vオプションを使用します。

# rpm -V postfix
S.5....T.  c /etc/postfix/main.cf

出力結果の意味は以下の通りです。

Sファイルのサイズが変更されていることを示します。
5MD5 チェックサムが変更されていることを示します。
Tファイルのタイムスタンプが変更されていることを示します。
cファイルのパーミッションが変更されていることを示します。
/etc/postfix/main.cf問題のあるファイルのパスを示しています。

ただし、すべての変更が問題を引き起こすわけではなく、ファイルの変更が正当な理由(例: カスタマイズされた設定)に基づいている場合もあります。

2.-eは、「パッケージ検索オプション」で、インストールされたRPMパッケージの情報を取得するためのオプションである。

-qオプションについての説明です。よって、不正解です。
例えば、rpmコマンドでpostfixがインストールされているか検索したい場合、以下のように-qオプションを使用します。

# rpm -q postfix
postfix-3.5.9-19.el9.x86_64

3.-eは、「削除のオプション」で、インストールされたRPMパッケージを削除するためのオプションである。

-eオプションの正しい説明であるため、正解です。
例えば、rpmコマンドでpostfixをアンインストールしたい場合、以下のように-eオプションを使用します。

# rpm -e postfix

4.-eは、「インストールとアップグレードのオプション」で、新しいRPMパッケージをインストールまたは既存のパッケージをアップグレードするためのオプションである。

-Uオプションについての説明です。よって、不正解です。
例えば、rpmコマンドでpostfixをアップグレードしたい場合、以下のように-Uオプションを使用します。

引数には、パッケージファイル名を指定する必要があります。

# rpm -U postfix-3.5.9-24.el9.x86_64.rpm

rpmコマンドには、多くのオプションがあり、組み合わせて使用することも多いです。
必要に応じて使い分けることができるよう、rpmコマンドのオプションについて意味を確認しておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 宮本 郁実

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