LinuCシステムアーキテクト SA01試験の例題と解説
SA.03.2負荷分散と障害の局所化
LinuC システムアーキテクト SA01試験の出題範囲から「SA.03.2 負荷分散と障害の局所化」についての例題を解いてみます。
例題
L4 ロードバランサよりも L7 ロードバランサによる負荷分散クラスタを構成することが望ましい要件は次のうちどれか。
- バックエンドサーバーの CPU 負荷に応じて動的に振り分け重みを変えたい。
- SSL/TLS の終端処理をロードバランサで行い、バックエンドサーバーの負荷を軽減したい。
- データ転送の遅延時間 (レイテンシー) をできるだけ短縮したい。
- バックエンドサーバーのヘルスチェック間隔をできるだけ短縮して異常検知速度を上げたい。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2. SSL/TLS の終端処理をロードバランサで行い、バックエンドサーバーの負荷を軽減したい。」です。
ロードバランサはリクエストを複数のバックエンドサーバーに振り分けることでシステム全体として一度に処理できるリクエストの許容量を上げ、可用性と性能を向上させるものです。リクエストを振り分ける方式に基づいて分類ができます。
L7 ロードバランサはアプリケーションレベルのデータ (URI、リクエストパラメータ、HTTP ヘッダなど) に基づくルーティングが可能であり、SSL/TLS のようなアプリケーションレベルのプロトコルを解釈し処理できます。SSL/TLS の終端処理をロードバランサで行うことにより、バックエンドサーバーは本来の処理に専念でき、負荷が軽減されます。
選択肢 3 は相対的な L7 ロードバランサの欠点を述べています。リクエストの内容を解析する必要がある分、原理的にはレイテンシーが増えることになります。選択肢 1, 4 はバックエンドサーバーの状態監視に関する言及であり、振り分け方式の違いとは直接関係ありません。
例題作成者
LinuC システムアーキテクト 試験開発コミュニティ