LinuCシステムアーキテクト SA01試験の例題と解説
SA.02.3ストレージとアクセスプロトコル
LinuC システムアーキテクト SA01試験の出題範囲から「SA.02.3 ストレージとアクセスプロトコル」についての例題を解いてみます。
例題
オブジェクトストレージ、ファイルストレージ、ブロックストレージの利用シーンに関する説明として不適切なものは次のうちどれか。
- 大量のユーザーからのアクセスが予想されるウェブコンテンツのようなデータはスケーラビリティの観点でオブジェクトストレージに保管するのがよい。
- データベースのような I/O が頻繁に発生し高速にアクセスが必要なデータはパフォーマンスの観点でファイルストレージに保管するのがよい。
- ログデータやバックアップのように大量で長期保存が求められるデータはコスト効率の観点でオブジェクトストレージに保管するのがよい。
- 社内のメンバーが所属部署ごとに別々に共有したいデータはアクセス制御の観点でファイルストレージに保管するのがよい。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
不適切なものは、「2. データベースのような I/O が頻繁に発生し高速にアクセスが必要なデータはパフォーマンスの観点でファイルストレージに保管するのがよい。」です。
データベースのようなデータは一般にブロックストレージに保管するのがよいと言われています。この理由は、ブロックストレージはデータを一定の大きさ (ブロック) で扱い、個々のブロックが独立しているため、必要なデータだけを迅速に引き出したり、特定のブロックだけを更新したりすることが得意だからです。一方、ファイルストレージはファイルシステムを介してデータを管理する方式であり、一般にはブロックストレージほどの高速な読み書き性能はありません。
オブジェクトストレージはキーと値のペアによって格納、アクセスする方式で、スケーラブルに設計されており、大量のユーザーからのアクセスに適しているほか、ストレージ容量の確保と拡張がしやすいことにより一般にコストパフォーマンスが高いと考えられています。ファイルストレージはディレクトリ構造を持ち、それに紐づくパーミッション設定が可能なため、選択肢 4 のようなシーンに対応しやすいと言えます。
例題作成者
LinuC システムアーキテクト 試験開発コミュニティ