LinuCレベル1 101試験の例題と解説
1.05.2ハードディスクのレイアウトとパーティション
LinuCレベル1 101試験の出題範囲から「1.05.2 ハードディスクのレイアウトとパーティション」についての例題を解いてみます。
ここでは、fdiskの使い方について確認しておきましょう。
例題
fdiskコマンドを用いて、あるデバイスのパーティションを削除したい。
実行するコマンドとして正しいものを選択してください。
- fdisk [デバイス名]
- fdisk -s [デバイス名]
- fdisk -l [デバイス名]
- fdisk -d [デバイス名]
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「1.fdisk [デバイス名]」です。
fdiskコマンドは、パーティションテーブルの作成および操作のためのコマンドであり、対話型プログラムです。
書式は以下の通りです。
fdisk [オプション] [デバイス名]
オプションを付けず、デバイス名だけを指定すると、対話形式でパーティションの作成・削除・変更等ができます。
主なオプションの説明を記載します。
fdisk -l,--list [デバイス名]
指定したデバイスのパーティションテーブルを一覧で表示します。
fdisk -s, --getsz [デバイス名]
指定したデバイスのサイズをブロック単位で表示します。
fdisk -u, --units [=単位]
パーティションテーブルのサイズを表示する際に、表示単位として 'sectors(セクタ数)' または 'cylinders(シリンダ数)' を選択することができます。
デフォルトでは、セクタ数で表示されます。
シリンダ数を指定する場合、以下のようにコマンドを実行します。出力結果の単位がシリンダになってることがわかります。
# fdisk -l /dev/sda -u=cylinders
:
単位: シリンダ (510 * 512 = 261120 バイト)
:
:
デバイス 起動 開始位置 終了位置 シリンダ サイズ Id タイプ
/dev/sda1 * 5 7662 7658 1.9G 83 Linux
/dev/sda2 7662 11489 3827 953M 82 Linux スワップ / Solaris
fdisk -b, --sector-size [セクタサイズ]
ディスクのセクタサイズ(ディスクに書き込む最小の単位)を指定できます。
有効な値は 512、1024、2048、および 4096 です。
選択肢の解説は以下です。
1.fdisk /dev/sda
正解です。
パーティションを削除する際は、デバイス名を指定してコマンドを実行し、サブコマンドを使用して対話形式で削除を行う必要があります。
対話形式の際に利用できる主なサブコマンドは以下の通りです。
l | : | 利用可能なパーティションタイプを表示します |
n | : | 新規パーティションを作成します |
d | : | パーティションを削除します |
p | : | パーティション情報を表示します |
t | : | パーティションタイプを変更します |
w | : | パーティション情報の変更を保存して終了します |
q | : | パーティション情報の変更を保存しないで終了します |
m | : | ヘルプメニューを表示します |
例えば、パーティション"/dev/sda2"を削除したい場合、以下のようにコマンドを実行します。
# fdisk /dev/sda ←デバイス"/dev/sda"を指定して、fdiskコマンドを実行します。
:
:
コマンド (m でヘルプ): p ←対話形式になります。サブコマンドpを指定して、パーティション情報を確認します。
ディスク /dev/sda: 8 GiB, 8589934592 バイト, 16777216 セクタ
:
デバイス 起動 開始位置 終了位置 セクタ サイズ Id タイプ
/dev/sda1 xxxx xxxx xxxx 1.9G 82 Linux xxxx / xxxx
/dev/sda2 * xxxx xxxx xxxx 6.1G 83 Linux
コマンド (m でヘルプ): d ←情報が確認出来たら、削除を行いたいので、サブコマンドdを指定します。
パーティション番号 (1,2, 既定値 2):2 ←削除したいパーティション番号を指定します。
コマンド (m でヘルプ): w ←パーティション情報の変更を保存して終了します。
領域テーブルは交換されました!
2.fdisk -s /dev/sda
不正解です。
-sオプションは、指定したパーティションのサイズをブロック単位で表示します。
以下のように出力されます。
# fdisk -s /dev/sda
8388608
3.fdisk -l /dev/sda
不正解です。
-lオプションは、指定したデバイスのパーティションテーブルを一覧表示します。
以下のように出力されます。
# fdisk -l /dev/sda
ディスク /dev/sda: 8 GiB, 8589934592 バイト, 16777216 セクタ
ディスク型式: QEMU HARDDISK
単位: セクタ (1 * 512 = 512 バイト)
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O サイズ (最小 / 推奨): 512 バイト / 512 バイト
ディスクラベルのタイプ: dos
ディスク識別子: xxxxx
デバイス 起動 開始位置 終了位置 セクタ サイズ Id タイプ
/dev/sda1 2048 3907583 3905536 1.9G 82 Linux スワップ / Solaris
/dev/sda2 * 3907584 16777215 12869632 6.1G 83 Linux
4.fdisk -d /dev/sda
不正解です。
-dオプションは存在しません。
fdiskコマンドの使い方を理解して、パーティションの変更など、正確にできるようにしましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 宮本 郁実