LinuCレベル3 300試験の例題と解説

390.1OpenLDAPのレプリケーション

LinuCレベル3 300試験の出題範囲から「390.1 OpenLDAPのレプリケーション」についての例題を解いてみます。
今回は、OpenLDAPのrefreshAndPersistについて取り上げます。
レプリケーション時のリトライ設定について確認しましょう。

Linucレベル3 300試験 出題範囲


例題

OpenLDAPのスレーブサーバにてsyncreplによるレプリケーションの設定を行いたい。
refreshAndPersistで行う場合のリトライ設定で正しいものを選択してください。なおリトライのルールは「1分毎に3回同期、もし同期ができなかった場合は以降5分間隔で実施」とします。

  1. retry="60 3 300"
  2. retry="3 1 5 +"
  3. retry="60 3 300 +"
  4. retry="3 60 300 +"

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「4. retry="3 60 300 +"」です。

OpenLDAPはディレクトリサービスを提供するオープンソースソフトウェアで、ディレクトリデータを管理するために使用します。

レプリケーションは、OpenLDAPの重要な機能の1つで、データをマスターサーバからスレーブサーバへ同期が可能です。これにより冗長性が確保でき、負荷分散を実現できます。レプリケーションは、データの可用性と信頼性を向上させ、障害時にデータの喪失を防ぐのに役立ちます。

レプリケーションにはsyncreplとreplogの2つの方式がありますが、replog方式は2.4系から廃止されたため、syncreplが主流となっています。

本例題であるレプリケーションのリトライ書式は以下の通りです。

retry="<リトライ回数> <リトライ間隔(秒)> <再リトライ間隔> <再リトライ回数>"

なお末尾の再リトライ回数が + の場合は接続が成功するまで実施します。

例題の選択肢について解説をします。

1.retry="60 3 300"
この選択肢は誤っています。

リトライ回数とリトライ間隔がルールと逆に設定されています。また再リトライ回数が設定されていません。

2.retry="3 1 5 +"
この選択肢は誤っています。

リトライ回数と再リトライ間隔の単位は秒です。

3.retry="60 3 300 +"
この選択肢は誤っています。

リトライ回数とリトライ間隔がルールと逆に設定されています。

4.retry="3 60 300 +"
この選択肢は正しいです。

レプリケーションを利用することでマスターサーバが停止してもサービスを安定して稼働させることができます。

仕組みを理解し正しい設定を身に着けていきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 加藤 大嗣

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