LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.07.2基本的なネットワーク構成
LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.07.2 基本的なネットワーク構成」についての例題を解いてみます。
ここでは、nmcli generalコマンドについて確認しておきましょう。
例題
以下の説明の内、誤っているものを1つ選択してください。
- nmcli general status はNetworkManagerの接続状態などの表示を行うことができる。
- nmcli general hostname はシステムのホスト名の表示と変更を行うことができる。
- nmcli general monitor はNetworkManagerの接続状態などの監視を行うことができる。
- nmcli general logging はNetworkMangerのログに関する設定の表示・変更を行うことができる。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「3. nmcli general monitorはNetworkManagerの接続状態などの監視を行うことができる。」です。
nmcli generalコマンドにmonitorというサブコマンドは存在しません。
nmcli generalコマンドは、nmcliコマンドのサブコマンドの1つです。NetworkManagerやシステムの設定を表示・変更することができます。
NetworkManagerとは、ネットワークの設定を管理することができるソフトウェアです。
nmcliコマンドは、NetworkManagerを管理することができるコマンドです。
nmcli generalコマンドの書式は以下の通りです。
nmcli general [サブコマンド] [引数]
nmcli generalコマンドで利用できるサブコマンドは以下の通りです。
status
NetworkManagerの接続状態などを表示します。
nmcli generalコマンドをサブコマンド、引数を指定せずに実行した場合、statusサブコマンドと同じ動作になります。
$ nmcli general status
STATE CONNECTIVITY WIFI-HW WIFI WWAN-HW WWAN
connected full missing enabled missing enabled
表示される項目は以下の通りです。
STATE | : | ネットワークデバイスの接続状態 |
CONNECTIVITY: | : | ネットワーク接続の状態 |
WIFI-HW | : | Wi-Fiのハードウェアの検出状況 |
WIFI | : | Wi-Fiの有効/無効 |
WWAN-HW | : | WWANのハードウェアの検出状況 |
WWAN | : | WWANの有効/無効 |
hostname
システムのホスト名の表示と変更を行うことができます。
hostnameサブコマンドのみ指定して実行した場合は、システムのホスト名を表示します。
$ nmcli general hostname
example.com
hostnameサブコマンドと設定したいホスト名を指定して実行した場合、システムのホスト名が変更されます。
# nmcli general hostname example.com
permissions
コマンドを実行したユーザの、NetworkManagerの操作の権限が表示されます。
PERMISSIONは操作、VALUEは権限を表しています。
VALUEの値はは以下の権限を表しています。
yes | : | 許可されている |
auth | : | パスワードの入力が必要 |
no | : | 許可されていない |
# nmcli general permissions
PERMISSION VALUE
org.freedesktop.NetworkManager.checkpoint-rollback yes
org.freedesktop.NetworkManager.enable-disable-connectivity-check yes
org.freedesktop.NetworkManager.enable-disable-network yes
:
:
:
(省略)
$ nmcli general permissions
PERMISSION VALUE
org.freedesktop.NetworkManager.checkpoint-rollback auth
org.freedesktop.NetworkManager.enable-disable-connectivity-check no
org.freedesktop.NetworkManager.enable-disable-network no
:
:
:
(省略)
logging
NetworkMangerのログレベルと、ドメインの表示・設定が行うことができます。
NetworkManagerのログは、syslogに出力されます。syslogとは、システムのログを取得して、処理することができるソフトウェアです。
logginのみ指定した場合、ログレベルとドメインを表示します。
$ nmcli general logging
LEVEL DOMAINS
INFO PLATFORM,RFKILL,ETHER,WIFI,・・・(省略)
levelを指定した場合、ログレベルを設定することができます。levelに指定する値は、大文字小文字の区別はありません。
# nmcli general logging level [OFF|ERR|WARN|INFO|DEBUG|TRACE]
domainまたはdomainsを指定した場合、ログを出力するドメインを設定することができます。指定する値は、大文字小文字の区別はありません。
# nmcli general logging domain [ドメイン名]
# nmcli general logging domains [ドメイン名]
指定することができるドメインを一部紹介します。
IP4 | : | IPv4アドレスに関する操作のログを出力する。 |
IP6 | : | IPv6アドレスに関する操作のログを出力する。 |
DEVICE | : | ネットワークインタフェースに関する操作のログを出力する。 |
ALL | : | すべてのドメインを指定する。 |
NONE | : | ログを出力しないようにする。 |
上記以外にも、指定できるドメイン名は多数あるため、公式のマニュアルなどで確認しておきましょう。
また、level,domainsを指定した場合、ログレベルとドメインを同時に設定することができます。
# nmcli general logging level [ログレベル] domains [ドメイン名]
reload
NetworkManagerの設定を再読み込みすることができます。
# nmcli general reload [フラグ]
フラグを指定することで、再読み込みする対象を制限することができます。
指定できるフラグは以下の通りです。
conf | : | NetworkManager.confの設定を再読み込みします。 |
dns-rc | : | /etc/resolv.confの設定を更新します。 |
dns-full | : | DNSプラグインを再起動します。 |
例題の選択肢について解説します。
1.nmcli general status
存在するコマンドの為、不正解です。
NetworkManagerの状態を確認することができるコマンドです。
2.nmcli general hostname
存在するコマンドの為、不正解です。
システムのホスト名を表示することができるコマンドです。
3.nmcli general monitor
存在しないコマンドの為、正解です。
4.nmcli general logging
存在するコマンドの為、不正解です。
NetworkManagerのログ出力設定を表示することができます。
nmcli generalコマンドはNetworkManagerやシステムの設定に関わるコマンドです。
nmcliコマンドには他にも多数のサブコマンドが存在してますので、この機会に確認しておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 宮地 智哉