LinuCレベル3 300試験の例題と解説

396.1NetBIOSとWINS

LinuCレベル3 300試験の出題範囲から396.1 NetBIOSとWINS」についての例題を解いてみます。
今回は、Sambaの名前解決順序について取り上げます。name resolve orderの設定方法ついて理解しましょう。

Linucレベル3 300試験 出題範囲


例題

Sambaの名前解決を以下順序に設定したい。

  1. lmhostsファイル
  2. WINSサーバ
  3. Linuxのシステム(hosts、DNS等)
  4. ブロードキャスト

上記の順で動作するname resolve orderの設定を記載してください。

name resolve order = _____________

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「lmhosts wins host bcast」です。

SambaはLinuxのファイル共有を行うソフトウェアです。Windowsとの互換性があります。ネットワーク上のクライアントをIPアドレスではなく、コンピュータ名やホスト名で通信を行うためには名前解決が必要です。
Sambaは複数の名前解決方法をサポートしており、組み合わせることができます。

パラメータはname resolve orderにて行います。
設定値は「lmhosts」 「wins」 「host」 「bcast」の4個です。
複数設定する場合はスペース区切りで指定し、左から書いたものが優先されます。

例題の各設定値について解説をします。

「lmhosts」
Sambaのlmhostsファイルで名前解決を行います。hostsと同じく各々でファイルを管理する必要があります。

書式はhostsと同様で <コンピュータ名>です。
hostsと異なる点としてコンピュータ名の後ろに#PRE等、特殊なキーワードで追加の設定をすることができます。

「wins」
wins(Windows Internet Name Service)は上記のlmhostsに代わり、主にWindows系のネットワーク環境で利用されていた名前解決方法です。

DNSサーバのようにWINSサーバでコンピュータ名と対応するIPアドレスを登録し、名前解決時にWINSサーバへ問い合わせを行います。レガシーなシステムなため現状はDNSに代わっており、使われていません。

「host」
Linuxの標準的な名前解決方法を利用します。hostという設定値から混同しやすいですが、hostsだけでなくDNSやNISによる名前解決も行います。

「bcast」
ブロードキャストで名前解決のリクエストを行います。利用するには対象のホストが同ネットワーク帯に存在している必要があります。

Sambaの名前解決順序を理解することで利用する環境にあわせた適切な方法を選択することができます。また名前解決ができない場合のトラブルシューティングに役立ちます。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 加藤 大嗣

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