LinuCレベル1 102試験の例題と解説

アカウント管理

LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.08.1 アカウント管理」についての例題を解いてみます。
ここでは、/etc/skelディレクトリについて確認しておきましょう。

Linucレベル1 102試験 出題範囲


例題

/etc/skelディレクトリの説明として、正しいものを1つ選択してください。

  1. 新しく作成するユーザのホームディレクトリの雛形である。
  2. ユーザを削除するときに参照されるディレクトリである。
  3. ユーザのログイン時に参照されるディレクトリである。
  4. 既存ユーザのホームディレクトリに影響がある。

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「1. 新しく作成するユーザのホームディレクトリの雛形である。」です。

/etc/skelディレクトリとは、スケルトンディレクトリとも呼ばれ、新しく作成されたユーザのホームディレクトリの雛形になるディレクトリです。

/etc/skelディレクトリは、useraddコマンドを使用してユーザを作成する際に、参照されます。

ユーザのホームディレクトリの作成時に、/etc/skelディレクトリ配下のファイルとディレクトリが、新しく作成されるユーザのホームディレクトリにコピーされます。そのため、既存ユーザのホームディレクトリには影響がありません。

なお、コピーされたファイルとディレクトリの権限は、新しく作成されるユーザの権限になります。

一般的に/etc/skelディレクトリに配置されるファイルは、ユーザに共通した内容を記載したファイルや、ユーザ毎にカスタマイズが必要なファイルです。

例えば、以下のようなものがあります。

  • ユーザ毎に設定変更が必要な設定ファイル
  • 操作方法やアカウント設定の方法などを記載したテキストファイル
  • ユーザのアカウント設定を行うためのスクリプトファイル

代表的なスクリプトファイルには以下があります。

.bash_profileログイン時に実行される
.bash_login.bash_profileが存在しない場合、ログイン時に実行される
.profile.bash_profile, .bash_loginがどちらも存在しない場合、ログイン時に実行される
.bashrcbash起動時に実行される
.bash_logoutログアウト時に実行される

これらは、bashの場合のスクリプトファイルになります。シェルによって異なるものがありますので、併せて確認しておきましょう。

上記は一例ですが、利用方法に合わせて配置するファイルを決めることができます。

また、/etc/skelディレクトリは、useraddコマンドでユーザを作成するときに、-kオプションでディレクトリを指定しなかった場合に参照されます。

以下のようにuseraddコマンドを実行することで、/home/skelをスケルトンディレクトリとして参照することができます。

# useradd -m -k /home/skel testuser

上記の例では以下のオプションを使用しています。

-mユーザのホームディレクトリを作成する。
-kスケルトンディレクトリを指定する。

useraddコマンドについても併せて確認しておきましょう。

例題の選択肢について解説します。

1.新規作成するユーザのホームディレクトリのひな型である。
正しい説明です。

/etc/skelディレクトリ配下のファイルとディレクトリが新規作成されるユーザのホームディレクトリにコピーされます。

2.ユーザを削除するときに参照されるディレクトリである。
誤った説明です。

3.ユーザのログイン時に参照されるディレクトリである。
誤った説明です。

4.既存ユーザのホームディレクトリにも影響がある。
誤った説明です。

/etc/skelディレクトリは、新しく作成されるユーザのホームディレクトリにのみ影響します。

/etc/skelディレクトリへファイルを配置しておくことで、ユーザを作成した際に、そのファイルを頒布することができます。/etc/skelディレクトリの特徴を理解し、便利に活用できるようにしておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 宮地智哉

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