LinuCレベル1 101試験の例題と解説

1.02.1ファイルの所有者とパーミッション

LinuCレベル1 101試験の出題範囲から「1.02.1 ファイルの所有者とパーミッション」についての例題を解いてみます。
ここでは、所有者権限の確認方法について確認しておきましょう。

Linucレベル1 101試験 出題範囲


例題

「ls -l」コマンドを実行した時、以下のような出力結果となった。

$ ls -l
-rwxr-x---. 1 user1 group1  5 Feb 8 15:02 test.txt

この出力結果から読み取れる内容として正しいものを全て選択してください。

  1. group1というグループに属しているユーザは読み取りと書き込みができる
  2. user1というユーザは読み取り権,書き込み権,実行権がある
  3. その他のユーザには何の権限もない
  4. user1というユーザは読み取り権と実行権のみがある

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「2. user1というユーザは読み取り権,書き込み権,実行権がある」「3. その他のユーザには何の権限もない」です。

ファイルのアクセス権や所有権は、システム内での機密情報や重要なデータへのアクセスを制御することができます。

そのため、アクセス権・所有権をユーザやグループごとに適切に設定することで、権限が不要なユーザがファイルにアクセスしたり、変更を行ったりすることを防ぎ、セキュリティの強化につながります。

出力結果について説明します。

-rwxr-x---. 1 user1 group1  5 Feb 8 15:02 test.txt

-
一番最初の"-"はファイルのタイプを示しています。
-の場合は、ファイルを、dの場合はディレクトリを示しています。

rwxr-x---

ファイルのパーミッションを示しています。

9文字が3つのセットに分かれています。各セットは、所有者、グループ、その他のユーザに対するアクセス権限を示します。
それぞれのセットは、読み取り(r)、書き込み(w)、実行(x)の権限を示す文字で構成されます。

したがって、rwxr-x--- は以下のようなアクセス権限を意味しています。

rwx所有者には読み取り(r), 書き込み(w), 実行(x)の権限があります。
r-xグループには読み取り(r), 実行(x)の権限があります。
---その他のユーザ何の権限もありません。

1

ファイルのリンク数を示しています。
この場合、このファイルには1つのリンクが存在します。

user1

ファイルの所有者を示しています。
ユーザuser1は、rwxの権限を持っています。

group1

ファイルの所有グループを示しています。
グループgroup1に所属するユーザは、r-xの権限を持っています。

5

ファイルのサイズを示しています。
この場合、ファイルのサイズは5バイトです。

Feb 8 15:02

ファイルの最終更新日時を示しています。
この場合、ファイルは2月8日の15時02分に変更されました。

test.txt

ファイルの名前です。

アクセス権限や所有者は、"ls -l"を実行することで確認が可能です。
lsコマンドは、「list segments」の略語であり、ディレクトリ内のコンテンツ(ファイルやサブディレクトリ)の一覧を表示するために使用されます。

lsコマンドの書式は以下の通りです。

ls [オプション] [ファイル]

主なオプションは以下の通りです。

-l :
ロングリスト形式でファイルやディレクトリの詳細情報(パーミッション、所有者、グループ、サイズ、最終更新日時など)を表示します。

-d :
ディレクトリ自体の情報を表示します。

-R :
リカーシブモードでディレクトリ内のサブディレクトリも含めて全てのファイルやディレクトリを表示します。

-t :
最終更新日時の新しい順にファイルやディレクトリをソートして表示します。

他にも様々なオプションがあります。
lsコマンドは、今回のようにディレクトリの詳細情報を確認する際など、様々な場面で使用するため、併せて覚えておきましょう。

選択肢の解説は以下です。

1.group1というグループに属しているユーザは読み取りと書き込みができる

グループのパーミッションは以下の通りです。

r-x : グループには読み取り(r), 実行(x)の権限があります。

よって不正解です。

2.user1というユーザは読み取り権,書き込み権,実行権がある

ユーザのパーミッションは以下の通りです。

rwx : 所有者には読み取り(r), 書き込み(w), 実行(x)の権限があります。

よって正解です。

3.その他のユーザには何の権限もない

その他のユーザのパーミッションは以下の通りです。

--- : その他のユーザ何の権限もありません。

よって正解です。

4.user1というユーザは読み取り権と実行権のみがある

2と同様、ユーザのパーミッションは以下の通りです。

rwx : 所有者には読み取り(r), 書き込み(w), 実行(x)の権限があります。

書き込み権もあるため、不正解です。

今回は、lsコマンドを使用してファイルの権限や所有者の読み取り方を確認しました。
正しく情報を読み取り、これらの情報を活用して、ファイルやディレクトリを適切に管理できるようにしましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット OSS研究室 宮本 郁実

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