LinuCレベル1 101試験の例題と解説
1.01.1Linuxのインストール、起動、接続、切断と停止
LinuCレベル1 101試験の出題範囲から「1.01.1 Linuxのインストール、起動、接続、切断と停止」についての例題を解いてみます。
ここでは、SSH接続からログアウトする方法について確認しておきましょう。
例題
現在、sshコマンドで、リモートサーバにログインしているが、ログアウトしたい。
ログアウトする方法として誤っているものを2つ選んでください。
- Ctrl+D(CtrlとDの同時押し)
- logout
- exit
- quit
- Ctrl+C(CtrlとCの同時押し)
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「4. quit」「5. Ctrl+C(CtrlとCの同時押し)」です。
SSH(Secure Shell)とは、ネットワークを通じて別のコンピュータを安全に遠隔操作するための通信手順(プロトコル)またはソフトウェアです。
通信経路が暗号化されるため、インターネットなどを経由しても安全にアクセスすることができます。
SSHコマンドの書式は以下の通りです。
ssh [オプション] [ログイン名@]接続先 [接続先で実行したいコマンド]
主なオプションは以下の通りです。
-p ポート番号 | : | 接続に使用するポート番号を指定する |
-l ログインユーザ名 | : | 認証に使用するログインユーザ名を指定する |
-i IDファイル | : | 認証に使用する秘密鍵ファイルを指定する |
例えば、ユーザ"user01"で、リモートサーバ"server01"にログインする場合、以下のように実行します。
ssh -l user01 server01
または、以下のように実行してログインすることも可能です。
ssh user01@server01
-i オプションは、以下のように実行します。
ssh -i ~/.ssh/my_private_key user01@example.com
秘密鍵ファイル"my_private_key"を指定し、ユーザ"user01"で、リモートサーバ"example.com" へSSH接続を行っています。
秘密鍵ファイルとは、SSH接続のユーザ認証方法として、公開鍵暗号化方式を利用する場合に使用するファイルになります。
SSHの代表的な認証方式は2つあります。
- パスワード認証方式
- 公開鍵認証方式
パスワード認証は、サーバに設定された、ユーザ名とパスワードを利用した認証方式です。
公開鍵認証は、公開鍵と秘密鍵のという2種類の鍵のペアを事前に生成し、ユーザがSSH接続した時、公開鍵と秘密鍵が対応しているかを確認する認証方法です。
公開鍵をリモートサーバに配置し、秘密鍵は自分のPC内に保管しておきます。ユーザが秘密鍵をもってSSHでリモートサーバに接続しようとすると、サーバは登録されている公開鍵とユーザの秘密鍵のペアが一致するかどうかを確認します。
公開鍵認証は、ユーザがパスワードを覚えておく必要がない、といったような利点があります。
また、以下のように、接続先で実行したいコマンドを指定することもできます。
ssh user01@example.com ls -l /path/to/directory
SSH接続後、「ls -l」コマンドを実行して、ディレクトリ"/path/to/directory"の内容を表示しています。
SSHサーバからログアウトするには、主に以下の3つの方法で可能です。
- exitコマンド
- logoutコマンド
- Ctrl+D(CtrlキーとDを同時に押す)
以下の例は、ユーザ"user01"で、リモートサーバ"test.example.com" へSSH接続した後、exitコマンドでログアウトを行っています。
[xxx@xxxx]# ssh user01@test.example.com:
Last login: Tue Mar 12 19:32:50 2024 from 10.1.3.219
[user01@test]$
:
:
[user01@test]$exit
logout
Connection to test.example.com closed.
[xxx@xxxx]#
選択肢の解説は以下です。
1.Ctrl+D(CtrlとDの同時押し)
正しい選択肢です。
Ctrl+D(CtrlとDの同時押し)でログアウトができます。
2.logout
正しい選択肢です。
logoutでログアウトができます。
3.exit
正しい選択肢です。
exitでログアウトができます。
4.quit
間違った選択肢です。
5.Ctrl+C(CtrlとCの同時押し)
間違った選択肢です。
今回は、SSH接続からログアウトする方法について確認しました。SSHは、安全に遠隔操作するための通信手順として非常によく使用されます。正しく使えるようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 宮本 郁実