LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.07.1インターネットプロトコルの基礎
LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.07.1 インターネットプロトコルの基礎」についての例題を解いてみます。ここでは、IPv6アドレスについて確認しておきましょう。
例題
IPv6アドレスの説明として、正しいものを1つ選択してください。
- 32ビットで表現される
- 各ブロックの先頭の0は省略できない
- 10進数で表現される
- 0が連続するブロックを「::」で省略することができる
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「4. 0が連続するブロックを「::」で省略することができる」です。
IPv6アドレスは、128ビットで表現され、16ビットずつ「:(コロン)」で区切られた8つのブロックで表現されます。
IPv4アドレスが10進数で表現されるの対し、IPv6アドレスは16進数で表現されます。
fe80:0000:0000:0000:0a00:27ff:fecb:fba4
IPv6アドレスの表記は長くなってしまうため、以下の2つの方法で省略することができます。
①各ブロックの先頭の「0」は省略できる
②0が連続するブロックは、「::」で省略できる
※「::」は1箇所しか使うことができません。
①②の省略方法を同時に使用することもできます。
上記のIPv6アドレスを省略して記載すると以下のようになります。
①の省略方法
fe80:0:0:0:a00:27ff:fecb:fba4
②の省略方法
fe80::0a00:27ff:fecb:fba4
①と②の省略方法を併用
fe80::a00:27ff:fecb:fba4
IPv6アドレスには以下の種類があります。
ユニキャストアドレス
単一のインターフェースを識別します。
ユニキャストアドレスに送信されたパケットは、そのアドレスで識別されるインターフェイスに配信されます。
エニーキャストアドレス
複数のインターフェースを識別するアドレスです。
エニーキャストアドレスに送信されたパケットは、そのアドレスで識別されるインターフェイスの中で、最も近いインターフェースに配送されます。
マルチキャストアドレス
複数のインターフェースを識別するアドレスです。
エニーキャストアドレスと異なり、マルチキャストアドレスに送信されたパケットは、そのアドレスで識別されるすべてのインターフェイスに配信されます。
また、ユニキャストアドレスに含まれる代表的なアドレスには以下があります。
- ループバックアドレス
自分自身を示す特別なIPアドレスです。
IPv6では::1が利用されます。 - リンクローカルIPv6ユニキャストアドレス
リンクローカルアドレスとも呼ばれ、同一リンクの中でのみ有効なIPアドレスです。
fe80::/64の範囲内のIPアドレスが、リンクローカルアドレスとして利用できます。
上記以外にも、IPv6アドレスには様々な種類があるので、併せて確認しておきましょう。
例題の選択肢について解説します。
1. 32ビットで表現される
IPv4アドレスの説明のため、不正解です。
2. 各ブロックの先頭の0は省略できない
誤った説明のため、不正解です。
3. 10進数で表現される
IPv4アドレスの説明のため、不正解です。
4. 0が連続するブロックを「::」で省略することができる
正しい説明です。
IPv6アドレスは、IPv4アドレスと比較して、非常に多くのIPアドレスを利用することができます。IPv4アドレスとの違いを理解し、IPv6アドレスを扱えるようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 宮地 智哉