LinuCレベル2 201試験の例題と解説
2.05.2仮想マシンの作成と管理
LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.05.2 仮想マシンの作成と管理」についての例題を解いてみます。
仮想マシンを作成するためのコマンドについての例題です。
例題
KVM環境において、コマンドラインで仮想マシン作成を開始するすることができるコマンドを選択してください。
- virt-create
- virsh
- virt-manager
- virt-install
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「4. virt-install」です。
仮想マシンを作成して、OSをインストールするためには、以下のコマンドを使用することができます。
virt-manager
virt-install
1) virt-manager
virt-managerは、仮想マシンを管理するためのデスクトップユーザインタフェースです。
GUIを使用して、仮想マシンの作成や起動を行うことができます。virt-managerを使用すれば、仮想マシンを扱うためのコマンドを知らなくても、仮想マシンの管理を行うことができます。
2) virt-install
virt-installは、仮想マシンを作成するためのコマンドラインインタフェースです。
以下はvirt-installの使用例です。
# virt-install \
--name guest01 \
--memory 2048 \
--vcpus 2 \
--disk size=10 \
--cdrom /path/to/AlmaLinux-9.3-x86_64-dvd.iso \
--os-variant rhel-unknown \
--graphics vnc,listen=0.0.0.0
上記の例では、次のオプションを指定しています。
--name guest01
仮想マシン名をgust01に指定しています。
--memory 2048
メモリサイズを2048MiBに指定しています。
--vcpus 2
CPU数を2に指定しています。
--disk size=10
ディスクサイズを10GiBに指定しています。
--cdrom /path/to/AlmaLinux-9.3-x86_64-dvd.iso
起動時に使用するCDROMのパスを指定しています。
--os-variant rhel-unknown
OSの種類をrhel-unknown(Red Hat Enterprise Linux Unknown)に指定しています。
--graphics vnc,listen=0.0.0.0
インストール画面にVNCを使用して接続できるように指定しています。
virt-installを起動すると、VNCクライアントでコンソールに接続できるようになります。
接続するVNCのポート番号は、virshで調べることができます。
/var/lib/libvirt/images# virsh vncdisplay guest01
:28
LinuxのVNCクライアントであるremote-viewerを使用して、仮想マシンのコンソールに接続することができます。
$ remote-viewer vnc://仮想マシン名:5928
例題の選択肢について解説します。
1.virt-create
誤っています。
virt-createというコマンドはありません。
2.virsh
誤っています。
virshは、仮想マシンを管理することができるコマンドです。仮想マシンの作成を行うことはできません。
3.virt-manager
誤っています。
virt-managerは、仮想マシンの作成を行うことはできますが、GUIを使用したツールです。
4.virt-install
正解です。
仮想マシン作成やコンソール接続は、複数の方法があります。
それぞれの方法や特徴を把握して、効率よく仮想マシンの管理を行えるようになりましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 大野公善