LinuCレベル1 102試験の例題と解説

1.07.3基本的なネットワークの問題解決

LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.07.3 基本的なネットワークの問題解決」についての例題を解いてみます。
ここでは、hostnameコマンドについて確認しておきましょう。

Linucレベル1 102試験 出題範囲


例題

hostnameコマンドを使用して、システムのホスト名を以下のように変更したい。
現在のホスト名:before.example.com
変更後のホスト名:after.example.com

以下の選択肢から、正しいコマンドを1つ選択してください。

  1. hostname -s after.example.com
  2. hostname -I after.example.com
  3. hostname -b after.example.com
  4. hostname -i after.example.com

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「3. hostname -b after.example.com」です。

hostnameコマンドは、システムのホスト名を一時的に設定・表示することができるコマンドです。

ホスト名を設定する場合の書式は以下の通りです。

hostname [-b|--boot] [-F|--file filename] [hostname]

[]で囲まれた部分がオプションです。
[-b|--boot]と[-F|--file filename]は省略することができますが、その場合[hostname]の指定が必要です。
[hostname]のみを指定してもホスト名を設定することができます。

実行例は以下の通りです。

# hostname after.example.com

なお、hostnameコマンドによるホスト名の設定は一時的なもののため、システムの再起動時に、設定した内容は破棄されます。ホスト名の設定はroot権限が必要です。

ホスト名を設定する場合に指定できるオプションを紹介します。

[-F|--file filename]
ホスト名を、filenameで指定したファイルの内容で設定します。指定したファイルの内容が複数行ある場合、1行目に書かれている内容が設定されます。また、先頭が#(シャープ)の行は、コメント文として扱われるため無視されます。このオプションを使用する場合、[hostname]は指定することができません。

[-b|--boot]
[hostname]または、前述の-Fオプションで指定したファイルの内容でホスト名を設定します。-Fオプションで指定したファイルが存在しない、または内容が空の場合は、デフォルト値(多くの場合localhost)で設定を行います。

ホスト名を表示する場合の書式は以下の通りです。

hostname [-a|--alias] [-d|--domain] [-f|--fqdn|--long] [-A|--all-fqdns] [-i|--ip-address] [-I|--all-ip-addresses] [-s|--short] [-y|--yp|--nis]

[]で囲まれた部分がオプションです。オプションは省略することができます。

オプションを指定しなかった場合、現在設定されているホスト名を表示します。
実行例は以下の通りです。

$ hostname
after.example.com

ホスト名を表示する場合の代表的なオプションをいくつか紹介します。

[-i|--ip-address]
ホストのネットワークアドレスを表示します。ホスト名が名前解決できる場合に使用できます。

[-I|--all-ip-addresses]
ホストのネットワークアドレスを表示します。
ホストのネットワークインターフェースに設定されているすべてのIPアドレスを表示します。なお、ループバックインタフェースとIPv6リンクローカルアドレスは省略されます。前述の-iオプションと異なり、ホスト名が名前解決できない場合でも使用できます。

[-s|--short]
ホスト名の最初の.(ピリオド)までを表示します。例えば、before.example.comの場合、beforeが表示されます。

上記以外にもhostnameコマンドにはオプションが存在しますので、併せて確認しておきましょう。

例題の選択肢について解説します。

1. hostname -s after.example.com
-sは、ホスト名の最初の.(ピリオド)までを表示するオプションのため、誤った選択肢です。

2. hostname -I after.example.com
-Iは、ホストのネットワークインターフェースに設定されているすべてのIPアドレスを表示するオプションのため、
誤った選択肢です。

3. hostname -b after.example.com
正しい選択肢です。

4. hostname -i after.example.com
-iは、ホストのネットワークアドレスを表示するオプションのため、誤った選択肢です。

hostnameコマンドを使用することで、システムのホスト名を一時的に設定・表示することができます。
オプションによる動作の違いを理解して、扱えるようになりましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット 経営企画室 宮地智哉

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