LinuCレベル2 202試験の例題と解説

2.07.1DHCPサーバーの設定と管理

LinuCレベル2 202試験の出題範囲から「2.07.1 DHCPサーバーの設定と管理」についての例題を解いてみます。

Linucレベル2 202試験 出題範囲


例題

ISC DHCPにて、クライアントが名前解決を行う際の参照DNSサーバーに、"192.168.0.100"を指定する場合のオプション設定として正しいものはどれですか?

  1. option domain-name-servers 192.168.0.100;
  2. option domain-name 192.168.0.100;
  3. option domain-name-server 192.168.0.100;
  4. option dns-server 192.168.0.100;

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「1.option domain-name-servers 192.168.0.100;」です。

DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、ネットワーク上のコンピュータにIPアドレスを自動的に割り当てるためのプロトコルです。
IPアドレス以外にも、オプションとして例えば以下のような情報を割り当てることもできます。

  • ドメイン名
  • ホスト名
  • デフォルトルート
  • 参照DNSサーバー

ISC DHCPは、DHCPの機能を提供するオープンソースソフトウェアです。MPL2.0のライセンスに基づいて公開されており、無料でインストールすることができます。

今回の問題は、ISC DHCPサーバーでクライアントに参照DNSサーバーを割り当てるための設定に関する出題です。ISC DHCPでは、IP アドレスの割り当てやオプション設定など、DHCPサーバーの動作に関する設定をdhcpd.conf記述する必要があります。
参照DNSサーバーアドレスの設定を行う場合、dhcpd.confに以下のように記述をします。

option domain-name-servers <参照DNSサーバー>;

ISC DHCPの開発元のISC(Internet Systems Consortium)は、2022年にISC DHCPのメンテナンスを終了しています。
またISCは、ISC DHCPの後継にあたるKeaを開発リリースしています。公式の開発が終わっているものの、ISC DHCPを採用したLinuxディストリビューションによるサポートは、今後数年継続されます。


また、現在運用中のISC DHCPの管理や、システムの移行時にはISC DHCPの正しい知識を持っていることが、必要不可欠です。今後に備えて勉強しておきましょう。

次に、例題の各選択肢について解説をします。

2.option domain-name 192.168.0.100;
option domain-nameは、クライアントがDNS検索時に付加するドメイン名を提供するためのオプションです。

3.option domain-name-server 192.168.0.100;
4.option dns-server 192.168.0.100;

上記のようなオプション設定は、ISC DHCPサーバーにおいてパラメータとして存在しませんので誤りです。

DHCPでは、クライアントに対して様々なオプション情報を提供することができます。適切な情報をクライアントに提供できるよう正しい設定方法を理解しておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット 経営企画室 今村 凌太

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