LinuCレベル3 300試験の例題と解説

392.4Sambaのトラブルシューティング

LinuCレベル3 300試験の出題範囲から「392.4 Sambaのトラブルシューティング」についての例題を解いてみます。
今回は、TDBファイルついて取り上げます。TDBファイルの表示方法について理解しましょう。

Linucレベル3 300試験出題範囲

例題

TDBファイルの内容を表示するための適切なコマンドを選択してください。

cat file.tdb
tdbdump file.tdb
vi file.tdb
tdbtool file.tdb

※この例題は実際の試験問題とは異なります。

解答と解説

正解は、「2. tdbdump file.tdb」です。

TDB(Trivial DataBase)ファイルはSamba独自のデータベース形式です。簡易なデータベースのため、高速な処理が特徴です。共有しているSamba上にあるファイルのロック管理やセッション管理に利用します。TDBファイルはバイナリ形式のため、操作にはTDBのコマンドを利用します。内容を表示するコマンドはtdbdumpを利用します。

以下はsambaユーザの認証情報を格納するファイルを表示した例です。

# tdbdump /var/lib/samba/private/passdb.tdb
{
key(13) = "RID_000003e8\00"
data(8) = "example\00"
}
{
key(19) = "INFO/minor_version\00"
data(4) = "\00\00\00\00"
}
{
key(9) = "NEXT_RID\00"
data(4) = "\E9\03\00\00"
}
{
key(13) = "USER_example\00"
data(193) = "\00\00\00\00\7F\A9T|\7F\A9T|\00\00\00\00\AE\DD\D7f\00\00\00\00\7F\A9T|\08\00\00\00example\00\0D\00\00\00ALMA9-MM3-PI\00\01\00\00\00\00\01\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\01\00\00\00\00\01\00\00\00\00\01\00\00\00\00\01\00\00\00\00\E8\03\00\00\01\02\00\00\00\00\00\00\10\00\00\00\0C\B6\94\88\05\F7\97\BF*\82\80ys\B8\957\00\00\00\00\10\00\00\00\A8\00\15\00\00\00 \00\00\00\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\FF\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\00\EC\04\00\00"
}
{
key(13) = "INFO/version\00"
data(4) = "\04\00\00\00"
}

例題の各選択肢について解説をします。

1. cat file.tdb
不正解です。
catコマンドは通常のテキストファイルを表示するために使われますが、TDBファイルはバイナリ形式のため、このコマンドでは内容を正しく表示できません。

2. tdbdump file.tdb
正解です。

3. vi file.tdb
不正解です。
viはテキストエディタであり、バイナリ形式のTDBファイルを編集するための適切なツールではありません。誤って編集するとファイルが破損する恐れがあります。

4. tdbtool file.tdb
不正解です。
tdbtoolはTDBファイルの内容を編集するための対話型ツールです。内容を出力するには上記コマンド実行後、tdbのプロンプトからdumpコマンド実行または、tdbtool file.tdb dump と実行する必要があります。

TDBファイルのコマンドを理解して適切な操作ができるようにしましょう。