LinuCレベル1 101試験の例題と解説

1.05.3ファイルシステムの作成と管理、マウント

LinuCレベル1 101試験の出題範囲から「1.05.3 ファイルシステムの作成と管理、マウント」についての例題を解いてみます。
ここでは、アンマウントについて確認しておきましょう。

Linucレベル1 101試験 出題範囲


例題

現在マウントされている/mnt/usbをアンマウントするための正しいコマンドを選んでください。

  1. umount /mnt/usb
  2. unmount /mnt/usb
  3. rm /mnt/usb
  4. mount -u /mnt/usb

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「1. umount /mnt/usb」です。

マウント・アンマウントとは、ファイルシステムをディレクトリ構造に接続・切り離しするための操作です。

・マウント
ファイルシステムをディレクトリ構造に接続し、システムがそのファイルシステムにアクセスできる状態にする操作のことです。ファイルシステムがシステム上の特定のディレクトリ(マウントポイント)に結び付けられることで、ユーザーはそのデバイス内のファイルを通常のファイル操作と同様に読み書きできるようになります。

・アンマウント
マウントされたファイルシステムをディレクトリ構造から切り離す操作です。これにより、ファイルシステムへのアクセスが終了し、システムに対してデバイスが安全に取り外せる状態になります。デバイスを取り外す際にアンマウントを行わずに切断すると、以下のような問題が発生する可能性があります。

データの破損:書き込み処理が完了していない場合、ファイルシステムが不整合を起こしデータが壊れることがある。
OSの認識エラー:デバイスの取り外し後もマウント情報がOSに残ることで、アプリケーションが誤動作する可能性がある。

正しくアンマウントを行うことで、ファイルシステムの破損やOSの誤動作を防ぎ、安全にデバイスを管理することができます。unmountコマンドは、デバイスの取り外しや、マウントポイントの変更、別のデバイスと接続する等の場合に使用されます。

umountコマンドの書式は以下の通りです。

umount [-f] [マウントポイント | デバイス]

-f : 強制的にアンマウントします。通常、アクセス中のプロセスやネットワーク共有(NFSなど)の問題でアンマウントできない場合に使用します。データ破損の可能性があるため、慎重に使用する必要があります。また、ファイルシステムの状態やマウントオプションによっては、強制的にアンマウントできないケースもあるため注意が必要です。

アンマウントの一般的な手順は以下の通りです。
現在マウントされている/mnt/usbをアンマウントすると想定します。

1. 現在マウントされているデバイスの確認
マウントされているデバイスを確認します。

# mount
/dev/sdb1 on /mnt/usb type xfs (rw,relatime,attr2,inode64,noquota)

mountコマンドを実行すると、現在マウントされているデバイスの一覧が表示されます。ここで、/mnt/usbに/dev/sdb1がマウントされていることがわかります。

2. プロセスが使用中か確認
マウントポイントにアクセス中のプロセスがある場合、アンマウントが失敗することがあります。もし使用中のプロセスがあれば停止してからアンマウントを実行します。

3. アンマウントの実行
以下のコマンドでアンマウントを実行します。

# umount /mnt/usb

成功すれば、ディレクトリがファイルシステムから切り離されます。

例題の選択肢について解説します。

1. umount /mnt/usb
umountコマンドは、指定されたマウントポイント(この場合は/mnt/usb)をアンマウントする正しい方法です。よって正解です。

2. unmount /mnt/usb
unmountというコマンドは存在しません。正しいコマンドはumountです。

3. rm /mnt/usb
rm はファイルを削除するためのコマンドであり、マウント解除には使用できません。

4. mount -u /mnt/usb
mountコマンドは、マウントはできますが、アンマウントを行うことはできません。また、-uオプションは存在しません。

umountコマンドの使い方を理解して、安全にアンマウントができるようにしましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット 経営企画室 宮本郁実

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