LinuCシステムアーキテクト SA01試験の例題と解説
SA.01.2柔軟性を高めるアーキテクチャパターン
LinuC システムアーキテクト SA01試験の出題範囲から「SA.01.2 柔軟性を高めるアーキテクチャパターン」についての例題を解いてみます。
例題
ある会社では現在、写真保存サービスとメッセージングサービスを運営しており、それぞれが独自の Web フロントエンドやデータストアを持って独立に稼働している。ここに新たに、メッセージに写真を添付してユーザー間で共有したり、写真にリアクションを行ったりというような、両システムの連携が必要な機能を追加したい。シームレスな連携のための改修として、両システムの機能を利用するフロントエンドの新規開発と、フロントエンドと既存システムの間への API ゲートウェイの導入を検討している。API ゲートウェイの導入により改善が期待できる課題として適切でないものは次のうちどれか。
- エンドポイント統合によるクライアントからのアクセス処理の簡素化
- システム全体としてデータ一貫性の保証
- ユーザーの認証と認可の一元管理
- API 呼び出しのロギングと監視の一元管理
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
適切でないものは、「2. システム全体としてデータ一貫性の保証」です。
API ゲートウェイは複数のバックエンドサービスへのアクセスの中継地点として機能し、クライアントからのリクエスト処理を簡素化します (選択肢 1)。また、API ゲートウェイの位置で認証・認可やロギング、監視などを集中的に行うことで、バックエンドサービスの複雑度を解消することに役立ちます (選択肢 3, 4)。しかし、データの一貫性はアプリケーションレベルの要件に基づいて各サービスのデータにどのように制御するかの設計が追加で必要であり、一般的に API ゲートウェイ自体が直接保証するものではありません。
例題作成者
LinuC システムアーキテクト 試験開発コミュニティ