LinuCレベル2 201試験の例題と解説

2.04.1makeによるソースコードからのビルドとインストール

LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.04.1 makeによるソースコードからのビルドとインストール」についての例題を解いてみます。

Linucレベル2 201試験 出題範囲


例題

次のコマンドに対する説明として、誤った説明をしているものを選んでください。

  1. bzip2コマンドは、bzip2形式でファイルを圧縮するコマンドである。
  2. gunzipコマンドは、gzip形式でファイルを圧縮するコマンドである。
  3. gzipコマンドは、gzip形式のファイルを展開することができる。
  4. tarコマンドは、gzip等の圧縮ツールと組み合わせることで、圧縮とアーカイブを同時に行うことができる。

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「2. gunzipコマンドは、gzip形式でファイルを圧縮するコマンドである。」です。

例題の各選択肢について解説をします。

1. bzip2コマンドは、bzip2形式でファイルを圧縮するコマンドである。
正しい説明です。
bzip2コマンドは、ファイルを圧縮するコマンドです。
基本的な使い方は以下です。

bzip2 ファイル名

圧縮後のファイル名はファイル名.bz2となります。bzip2形式のファイルは、gzipよりも高い圧縮率を実現できますが、圧縮や展開の処理速度はやや遅くなるという特徴があります。

2. gunzipコマンドは、gzip形式でファイルを圧縮するコマンドである。
誤った説明です。
gunzipコマンドは、gzip形式で圧縮されたファイルを展開するコマンドです。ファイルを圧縮をする機能はありません。よって誤りとなります。
基本的な使い方は以下です。

gunzip ファイル名.gz

上記のコマンドを実行することで、.gz拡張子のファイルを展開し、ファイル名のファイルが作成されます。展開後、.gzファイルは自動で削除されます。

3. gzipコマンドは、gzip形式のファイルを展開することができる。
正しい説明です。
gzipコマンドは、ファイルを圧縮するコマンドです。-dオプションを付与することで、gunzipコマンドのようにファイルを展開することもできます。
基本的な使い方は以下です。

・gzip形式にファイルを圧縮する場合

gzip ファイル名

圧縮後のファイル名はファイル名.gzとなります。

・gzip形式にファイルを圧縮する場合

gzip -d ファイル名.gz

gunzipコマンドと同様に、.gz拡張子のファイルを展開し、ファイル名のファイルが作成されます。展開後、.gzファイルは自動で削除されます。

gzip形式のファイルは、bzip2やxzに比べ圧縮率は低いですが、圧縮や展開の処理速度は速いという特徴があります。

4. tarコマンドは、gzip等の圧縮ツールと組み合わせることで、圧縮とアーカイブを同時に行うことができる。
正しい説明です。
tarコマンドは、複数のファイルやディレクトリを1つにまとめたアーカイブファイルを作成・展開するコマンドです。gzip等の圧縮ツールと組み合わせて使用することもできます。
基本的な使い方は以下です。

・アーカイブの作成

tar -cf アーカイブ名.tar ファイル1 ファイル2 ディレクトリ1

上記コマンドを実行することで、ファイル1、ファイル2、ディレクトリ1をまとめた、アーカイブ名.tarを作成します。
-c : アーカイブを作成
-f : ファイル名を指定

・アーカイブ展開

tar -xf アーカイブ名.tar

上記コマンドを実行することで、アーカイブ名.tarを展開して、元のファイルやディレクトリを復元します。
-x : アーカイブを展開
-f : ファイル名を指定

また、以下のように圧縮とアーカイブの同時処理を行うこともできます。

tar -czf アーカイブ名.tar.gz ファイル1 ディレクトリ1

上記コマンドを実行することで、ファイル1、ディレクトリ1をまとめ、gzip形式でアーカイブ名.tar.gzを作成します。
-c : アーカイブを作成
-z : gzip形式で圧縮
-f : ファイル名を指定

-zオプションを、以下のように変えることで、bzip2やxz形式で圧縮することもできます。
-j : bzip2形式で圧縮
-J : xz形式で圧縮

-aオプションを使うことで、作成するアーカイブファイルの拡張子に応じて、適切な圧縮オプション(-z、-j、-Jなど)を自動的に適用することも可能です。

tar -acf アーカイブ名.tar.gz ファイル1 ディレクトリ1

上記コマンドを実行すると、作成するアーカイブファイルの拡張子が.gzとなっているので、明示的に-zオプションを指定しなくても、gzip形式でアーカイブ名.tar.gzが作成されます。

ソースコードを扱ううえで、ファイルの圧縮・展開やアーカイブを作成するコマンドの知識は必須です。ソースコードの圧縮形式は様々です。圧縮形式に合わせて正しく操作できるようにしておきましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット 経営企画室 今村 凌太

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