LinuCレベル2 201試験の例題と解説
2.02.1ファイルシステムの設定とマウント
LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.02.1 ファイルシステムの設定とマウント」についての例題を解いてみます。
例題
ファイルシステムをマウントする際に用いるmountコマンドで使用できるオプションの説明として、誤っているものを1つ選択してください。
- -r : 読み取り専用でマウントする
- -a : 読み書き可能でマウントする
- -o : マウントオプションを指定する
- -t : ファイルシステムのタイプを指定する
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2. -a : 読み書き可能でマウントする」です。
ファイルシステムをマウントするにはmountコマンドを使います。オプションや引数なしでmountコマンドを使用すると、現在マウントされているデバイスが一覧表示されます。
# mount
proc on /proc type proc (rw,nosuid,nodev,noexec,relatime)
sysfs on /sys type sysfs (rw,nosuid,nodev,noexec,relatime,seclabel)
devtmpfs on /dev type devtmpfs (rw,nosuid,seclabel,size=4096k,nr_inodes=85113,mode=755,inode64)
/dev/sda3 on / type xfs (rw,relatime,seclabel,attr2,inode64,logbufs=8,logbsize=32k,noquota)
mountコマンドには、以下のようなオプションがあります。
-a : /etc/fstabで指定されているファイルシステムをすべてマウントする(noautoオプションが付いているものを除く)
-f : /etc/mtabの情報を書き換えるだけで実際にはマウントしない
-o : マウントオプションを指定する
-o remount : 再マウント
-o ro : 読み取り専用
-o rw : 読み書き可能
-n : /etc/mtabにマウント情報を書き込まない(/etcが読み取り専用の場合など)
-r : 読み取り専用でマウントする(-o roと同じ)
-t : ファイルシステムのタイプを指定する
-w : 読み書き可能でマウントする(-o rwと同じ)
次に、例題の各選択肢の詳細について解説をします。
1. -r : 読み取り専用でマウントする
正しいです。
-rオプションを指定すると、読み取り専用でマウントできます。-o roオプションでも同じ挙動となります。読み取り専用でマウントする際の実行例は以下です。
以下は、デバイス/dev/sda1を、マウントポイント/mntに読み取り専用でマウントする際のコマンド実行例です。
# mount -r /dev/sda1 /mnt
2. -a : 読み書き可能でマウントする
誤りです。よって例題の正解となります。
-aは、/etc/fstabで指定されているファイルシステムをすべてマウントするオプションです。読み書き可能でマウントするオプションは、-w(もしくは-o rw)です。
以下は、デバイス/dev/sda1を、マウントポイント/mntに読み書き可能でマウントする際のコマンド実行例です。
# mount -w /dev/sda1 /mnt
3. -o : マウントオプションを指定する
正しいです。
-oの後に、remountやroなど様々なマウントオプションを指定することができます。
以下は、マウントポイント/mntを再マウントする際のコマンド実行例です。
# mount -o remount /mnt
4. -t : ファイルシステムのタイプを指定する
正しいです。
-tの後に指定したファイルシステムのタイプでマウントできます。
以下は、デバイス/dev/sda1を、マウントポイント/mntに、ファイルシステムタイプext4でマウントする際の実行例です。
# mount -t ext4 /dev/sda1 /mnt
mountコマンドは、ファイルシステムを操作するうえで非常に重要です。この機会に、ぜひ使い方を覚えておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット 経営企画室 小倉 崇志