LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.09.3メール配送エージェント(MTA)の基本
LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.09.3 メール配送エージェント(MTA)の基本」についての例題を解いてみます。
ここでは、mailコマンドを用いたメール送信方法について確認してみましょう。
例題
下記のコマンドを用いてメール送信を行う場合、[A]~[D]に該当するものとして正しいものを1つだけ選択してください。
mail -s [A] -S [B] -r [C] [D]
- [A]は メール本文 を指定
- [B]は SMTPサーバ を指定
- [C]は 送信先のメールアドレス を指定
- [D]は 送信元のメールアドレス を指定
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2. [B]は SMTPサーバ を指定」です。
コマンドラインでメールを送信したり、受信メールを確認する場合は、mailコマンドを使用します。メール送信をする場合は、宛先を指定してmailコマンドを実行します。
書式は次の通りです。
mail [オプション] 送信先メールアドレス
送信先メールアドレスは、mailコマンドの最後に指定します。なお、スペース区切りで複数指定することができます。
オプションには次のようなものがあります。
-s | : | メールのサブジェクト(件名)を指定 |
-S | : | SMTPサーバを指定(smtp=smtp://SMTPサーバー:ポート番号) |
-r | : | 送信元のメールアドレスを指定 |
-c | : | Ccを指定 |
-b | : | Bccを指定 |
実行例は次の通りです。
# mail -s "TEST MAIL" -S smtp=smtp://127.0.0.1:25 -r user01@example.com user02@example.com
This is test.
.
EOT
2行目はメール本文です。mailコマンドを実行後、標準入力でメール本文を指定します。3行目にある .(ピリオド)を入力、もしくは ctrl+D を入力すると、メール本文の入力を終了し、メールが送信されます。
また、次のようにメール本文を標準入力で指定せず、コマンド1行で実行することもできます。
# echo "This is test." | mail -s "TEST MAIL" -S smtp=smtp://127.0.0.1:25 -r user01@example.com user02@example.com
例題の選択肢について解説します。
1. [A]は メール本文 を指定
誤った選択肢です。
-sオプションの後には、メールのサブジェクト(件名)を指定します。
2. [B]は SMTPサーバ を指定
正しい選択肢です。
-Sオプションの後には、SMTPサーバを指定します。
3. [C]は 送信先のメールアドレス を指定
誤った選択肢です。
-rオプションの後には、送信元のメールアドレスを指定します。
4. [D]は 送信元のメールアドレス を指定
誤った選択肢です。
mailコマンドの最後には、送信先のメールアドレスを指定します。
今回は、mailコマンドを用いたメール送信方法について解説しました。スクリプトの処理でメールを送信したい場合などに使えるので、この機会に使い方を覚えておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット 経営企画室 小倉崇志