LinuCレベル2 201試験の例題と解説
主題2.01システムの起動とLinuxカーネル
2.01.4Linuxカーネルのコンパイル
LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.01.4 Linuxカーネルのコンパイル」についての例題を解いてみます。
このテーマは、Linuxカーネルにおいて必要な機能を有効化し、システムを構築するための内容が含まれます。要件に合ったLinuxシステムを構築すに必要となるケースなどに活用できますので、コンパイルのためのターゲットやモジュールなどについてしっかりと理解しておきましょう。
例題
initrd(initial ramdisk)、またはinitramfs(initial RAM filesystem)の主な目的として、最も適切なものはどれですか。
- ユーザーがログインした後に使用する、最終的なルートファイルシステムとして機能する
- ルートファイルシステムをマウントするために必要な一時的なカーネルモジュール(ドライバ)やスクリプトを格納する
- ブートローダ(GRUBなど)の設定ファイルを格納する
- システムで利用可能なすべてのカーネルモジュールを格納する
解答と解説
正解は、「2.ルートファイルシステムをマウントするために必要な、一時的なカーネルモジュール(ドライバ)やスクリプトを格納する」です。
initrdやinitramfsは、システムが起動する初期段階でのみ使用される一時的なファイルシステムです。最終的なルートファイルシステムではありません。initramfsの役割は、実際のルートファイルシステムがマウントされるまでの橋渡しをすることです。ルートファイルシステムがマウントされると、initramfsはメモリから解放され、制御は実際のルートファイルシステムに移ります。
また、その他の選択肢は、正しくは以下となります。
initrdやinitramfsは、最終的なルートファイルシステムではなく、システムが起動する初期段階でのみ使用される一時的なファイルシステムです。
ブートローダ(GRUB)の設定ファイルは、通常、/bootディレクトリ内や、ブートローダがインストールされているパーティションに直接格納されます。initrdやinitramfsの内部に含まれるわけではありません。ブートローダは、カーネルイメージとinitramfsイメージをメモリに読み込む役割を担います。
initrdやinitramfsには、システムが起動し、ルートファイルシステムをマウントするのに最低限必要なカーネルモジュールのみが格納されます。
例題作成者
鯨井 貴博 (LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 ゼウスITトレーニングセンター)