LinuCレベル3 3PS試験の例題と解説
主題3PS.02仮想化基盤のネットワークとストレージ
3PS.02.1仮想化基盤のネットワークの構築
LinuCレベル3 プラットフォームスペシャリスト 3PS試験の出題範囲から「2.1_仮想化基盤のネットワークの構築」についての例題を解いてみます。
LinuCレベル3 プラットフォームスペシャリスト 3PS試験 出題範囲
例題
以下はnmcli device show bond0を実行した結果の一部である。この bond0 の設定内容として正しいものは次のうちどれか。
GENERAL.DEVICE: bond0
GENERAL.TYPE: bond
GENERAL.HWADDR: 52:54:00:12:34:56
GENERAL.MTU: 1500
GENERAL.STATE: 100 (connected)
IP4.ADDRESS[1]: 192.0.2.10/24
BONDING.MODE: 802.3ad
BONDING.OPTIONS: miimon=100 lacp_rate=fast xmit_hash_policy=layer3+4- bond0はLACPによるリンクアグリゲーションで構成され、複数NICの帯域拡張と冗長性を実現している。
- bond0は単一NICの高速化のみを目的とし、冗長性は提供しない。
- bond0はアクティブ/スタンバイ型のフェイルオーバのみを提供し、帯域拡張は行わない。
- bond0はラウンドロビン方式で全NICに順番にフレームを送信する設定である。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「1.bond0はLACPによるリンクアグリゲーションで構成され、複数NICの帯域拡張と冗長性を実現している。」です。
ボンディング (Bonding) は、複数の物理ネットワークインターフェースを論理的に1つにまとめる技術である。この出力ではBONDING.MODE: 802.3adが設定されており、これはIEEE 802.3ad規格(現在はIEEE 802.1AX)に基づくLACP(Link Aggregation Control Protocol)を使用したリンクアグリゲーションを示しています。
出力の解説
- BONDING.MODE: 802.3ad: LACPによる動的なリンクアグリゲーションを使用
- miimon=100: 100ミリ秒ごとにリンク状態を監視
- lacp_rate=fast: LACPパケットを1秒ごとに送
- xmit_hash_policy=layer3+4: レイヤー3(IPアドレス)とレイヤー4(ポート番号)を使用してトラフィックを分散
この設定により、複数のNICを束ねて帯域を拡張しつつ、いずれかのリンクが故障しても通信を継続できる冗長性を実現している。
例題作成者
LinuC 試験開発コミュニティ