LinuCレベル3 3SS試験の例題と解説
主題3SS.06インシデントの検知・防止
3SS.06.1ネットワークセキュリティ
LinuCレベル3 セキュリティスペシャリスト 3SS試験の出題範囲から「6.1_ネットワークセキュリティ」についての例題を解いてみます。
LinuCレベル3 セキュリティスペシャリスト 3SS試験 出題範囲
例題
Web アプリケーションのセキュリティ強化のために ModSecurity を導入し、WAF の構築を試みている。ModSecurity の特徴に関して正しいものは次のうちどれか。
- ModSecurity は専用ハードウェアアプライアンスとしてのみ動作し、サーバソフトウェアとしては利用できない。
- ModSecurity は静的なログ解析ツールであり、リアルタイムの攻撃防御機能を提供しない。
- ModSecurity では、全ての攻撃パターンをユーザーが 1 から定義する必要があり、事前提供されたルールセットは存在しない。
- ModSecurity は Apache や Nginx 上で動作し、リアルタイムに攻撃を検出・防御できる。
- ModSecurity は Web トラフィックの暗号化のみを目的とし、攻撃検出機能は持たない。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「4.ModSecurity は Apache や Nginx 上で動作し、リアルタイムに攻撃を検出・防御できる。」です。
ModSecurity は、オープンソースの Web Application Firewall(WAF)です。ソフトウェアベースの保護エンジンとして、Apache、Nginx、IIS などの Web サーバー上で動作し、HTTP/HTTPS トラフィックをリアルタイムで検査します。OWASP ModSecurity Core Rule Set (CRS) などの事前定義ルールセットを利用して、SQL インジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、DDoS 攻撃などの Web 攻撃から Web アプリケーションを保護します。
各選択肢の解説
選択肢1
誤りです。ModSecurity はソフトウェアベースの WAF です。専用ハードウェアではなく、既存の Web サーバーのモジュールとして動作します。これにより、導入コストが低く、柔軟な構築が可能です。
選択肢2
誤りです。ModSecurity はWeb トラフィックを動的にインスペクションするエンジンです。リアルタイムで HTTP リクエスト/レスポンスを検査し、検出された攻撃をブロックします。
選択肢3
誤りです。ModSecurity では、ユーザーが攻撃パターンを一から定義する必要はありません。OWASP CRS などの事前定義ルールセットが提供されており、すぐに利用可能です。ユーザーは必要に応じてカスタムルールを追加できます。
選択肢4
正解です。ModSecurity は Apache、Nginx などの Web サーバーのモジュールとして動作し、リアルタイムに攻撃を検出・防御します。OWASP CRS などのルールセットも利用可能です。
選択肢5
誤りです。ModSecurity の目的は暗号化ではなく、Web 攻撃の検出と防御です。
例題作成者
LinuC 試験開発コミュニティ