LinuCレベル2 201試験の例題と解説

主題2.03ネットワーク構成

2.03.1基本的なネットワーク構成

LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.03.1 基本的なネットワーク構成」についての例題を解いてみます。

LinuCレベル2 201試験 出題範囲


例題

IPアドレスの設定を変更する際のコマンドとして適切なものを1つ選択してください。
なお、CONNECTION名:Wired connection 1, DEVICE名:enp1s0, 変更後のIPアドレス:192.168.100.100/24とします。

  1. nmcli connection modify "Wired connection 1" ipv4.addresses "192.168.100.100/24"
  2. nmcli connection modify "Wired connection 1" +ipv4.addresses "192.168.100.100/24"
  3. nmcli connection modify enp1s0 ipv4.addresses "192.168.100.100/24"
  4. nmcli connection modify enp1s0 +ipv4.addresses "192.168.100.100/24"
  5. nmcli connection up enp1s0 ipv4.addresses "192.168.100.100/24"

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

正解は、「1」です。

nmcliコマンドは、Linuxでネットワーク接続を一元管理するNetworkManagerデーモンを操作するためのコマンドラインツールです。GUIが使えないサーバーやリモート環境で、ネットワークデバイスの状態確認、IPアドレス設定、接続プロファイルの追加・変更・削除など、ネットワーク設定の数多の操作を行うことができます。
nmcliコマンドは以下の書式で構成され、オブジェクト(操作対象)に対してコマンドを実行します。

nmcli [OPTIONS] OBJECT { COMMAND | help }

OBJECT:操作対象を指定します。主なオブジェクトには以下のものがあります。

  • device: ネットワークデバイス(物理インターフェースなど)の情報を扱います。
  • connection: ネットワーク接続のプロファイル(設定情報)を扱います。
  • general: ホスト全体のネットワーク設定を扱います。

COMMAND:実行する操作を指定します。例えば show(s), up(u), down(d), modify(m) などがあります。

また、modifyで設定を変更した後は、nmcli connection up 「CONNECTION名」の実行やサーバ再起動等を行い、設定を反映する必要があります。

例題の各選択肢の詳細について解説をします。

1. nmcli connection modify "Wired connection 1" ipv4.addresses "192.168.100.100/24"
正しいです。
上記コマンドは、CONNECTION名「Wired connection 1」を引数として指定し、IPアドレスを192.168.100.100/24に変更するコマンドとなります。nmcli コマンドによるインターフェースの設定・編集をOBJECT「connection」を使用して行う場合、インターフェースのCONNECTION名を指定する必要があります(nmcli connection showなどで確認することができます)。

2. nmcli connection modify "Wired connection 1" +ipv4.addresses "192.168.100.100/24"
誤りです。
上記コマンドは、CONNECTION名「Wired connection 1」を引数として指定し、IPアドレス192.168.100.100/24を新たに追加するコマンドとなります。例題では、IPアドレスを追加するのではなく変更したいため、IPアドレスを追加する機能を持つ+記号付きのipv4.addressesを使用している点で誤りとなります。

3. nmcli connection modify enp1s0 ipv4.addresses "192.168.100.100/24"
誤りです。
上記コマンドは、DEVICE名「enp1s0」を引数として指定しています。選択肢1の解説に記載の通り、nmcli コマンドによるインターフェースの設定・編集をOBJECT「connection」を使用して行う場合、インターフェースのCONNECTION名を指定する必要があります。本選択肢ではOBJECTがconnectionであるにもかかわらずDEVICE名を指定しているため、誤りとなります。

4. nmcli connection modify enp1s0 +ipv4.addresses "192.168.100.100/24"
誤りです。
上記コマンドは、DEVICE名「enp1s0」を引数として指定しており、さらにIPアドレス192.168.100.100/24を新たに追加しようとしています。IPアドレスを追加しようとしている、OBJECTがconnectionであるにもかかわらずDEVICE名を指定している点で誤りとなります。

5. nmcli connection modify enp1s0 ipv4.addresses "192.168.100.100/24"
誤りです。
上記コマンドは、COMMAND部分にu(up)を指定していることから、インターフェースの再起動を試みています。
しかし、以下の点で誤りとなります。

  • OBJECTがconnectionであるにもかかわらずDEVICE名を指定している
  • CONNECTION名の後ろに「ipv4.addresses」、「192.168.100.100/24」のような、本コマンドにおいては不要な引数が存在する
  • 問題の回答として不適切な操作(インターフェースの再起動)である

サーバ構築にはネットワーク設定が欠かせません。nmcliコマンドを使いこなすことができれば、NetworkManagerでのネットワーク管理が効率的に行えます。基本操作を覚えて、安定したネットワーク環境を構築できるようにしましょう。


例題作成者

株式会社デージーネット 経営企画室 大河内 龍馬

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