LinuCレベル2 201試験の例題と解説
主題2.02ファイルシステムとストレージ管理
2.02.1ファイルシステムの設定とマウント
LinuCレベル2 201試験の出題範囲から「2.02.1 ファイルシステムの設定とマウント」についての例題を解いてみます。
このテーマは、ファイルシステムの適切な設定と操作に関する内容が含まれます。Linuxを用いたシステム構築の重要な土台となる部分の為、しっかりと理解しておきましょう。
例題
システム管理者として、新しくフォーマットされたパーティションを/dataに永続的にマウントしたいと考えています。このパーティションのUUIDは 512a2e4e-4f1a-46c0-93c4-f2a89c9d5f0b で、ファイルシステムタイプは ext4 です。この設定を/etc/fstabに正しく記述し、システム起動時に自動的にマウントさせるために必要なエントリとして適切なものはどれですか。
- /dev/sdb1 /data ext4 defaults 0 0
- 512a2e4e-4f1a-46c0-93c4-f2a89c9d5f0b /data ext4 defaults 0 2
- UUID=512a2e4e-4f1a-46c0-93c4-f2a89c9d5f0b /data ext4 defaults 0 2
- UUID /data 512a2e4e-4f1a-46c0-93c4-f2a89c9d5f0b ext4 defaults 0 2
解答と解説
正解は、「3. UUID=512a2e4e-4f1a-46c0-93c4-f2a89c9d5f0b /data ext4 defaults 0 2」です。
/etc/fstabにおけるUUIDの使用に関する技術的な要件をすべて満たしています。
- UUIDプレフィックスの義務付け:/etc/fstabの第1フィールド(デバイス指定)でUUIDを使用する場合、システムがそれがUUIDであることを認識し、永続的なデバイス解決ルーチン(libblkid)を使用するために、必ず「UUID=」というプレフィックスを付けて記述しなければなりません 。
- fstabの構造維持:/etc/fstabは厳密に6つのフィールドを持ち、デバイス指定、マウントポイント、FSタイプ、オプション、dump設定、fsck順序の順序で記述されています。Cはこれらの構造と値(マウントポイント /data、タイプ ext4、オプション defaults、fsck順序 2)が正しく配置されています。
なお、その他の選択肢は、以下の為不正解となります。
1. /dev/sdb1 /data ext4 defaults 0 0
永続的な識別子であるUUIDを使用せず、一時的かつ変動しやすい従来のデバイスパス(/dev/sdb1)を使用しています。
2. 512a2e4e-4f1a-46c0-93c4-f2a89c9d5f0b /data ext4 defaults 0 2
UUIDの値は正しいものの、「UUID=」プレフィックスが欠落しています。プレフィックスがない場合、システムはこれをUUIDとして認識できず、ブート時にマウントデバイスの解決に失敗します。これはUUID設定における最も一般的な構文エラーの一つです。
4. UUID /data 512a2e4e-4f1a-46c0-93c4-f2a89c9d5f0b ext4 defaults 0 2
/etc/fstabのフィールドの配置が誤っています。UUIDの値が第3フィールドに移動しており、第1フィールドには「UUID」という文字列のみが指定されています。この誤った構造は、システムによるfstabの解析を不可能にします。
なお、/etc/fstabの詳細については以下で確認できます。
https://www.man7.org/linux/man-pages/man5/fstab.5.html
例題作成者
鯨井 貴博 (LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 ゼウスITトレーニングセンター)