LinuCレベル2 202試験の例題と解説
主題2.08ドメインネームサーバー
2.08.2ゾーン情報の管理
LinuCレベル2 202試験の出題範囲から「2.08.2 ゾーン情報の管理」についての例題を解いてみます。
このテーマは、DNSサーバー構築におけるゾーン情報の管理に関する内容が含まれます。複数の設定ファイルで構成されるBIND構築に必須の知識となりますので、しっかりと理解しておきましょう。
例題
BINDのゾーンファイルに記述するリソースレコード(RR)の書式に関する説明として、最も適切なものを一つ選択してください。
- リソースレコードのNameフィールドを省略した場合、そのレコードには直前のリソースレコードと同じNameが適用される。
- TTLフィールドは必ず明示的に秒単位の数値を記述する必要があり、1hや30mのような時間単位の省略記法は使用できない。
- Nameフィールドに完全修飾ドメイン名(FQDN)を記述する場合、末尾にドット(.)を付けると、相対名として扱われてしまうため、ドットを付けてはならない。
- ゾーンファイル内でコメントを記述する場合、行頭にセミコロン(;)を付ける必要があり、行の途中からコメントを開始することはできない。
解答と解説
正解は、「1. リソースレコードのNameフィールドを省略した場合、そのレコードには直前のリソースレコードと同じNameが適用される。」です。
BINDのゾーンファイルでは、連続するレコードに対して同じName(ホスト名やドメイン名)を適用する場合、2つ目以降のレコードのNameフィールドを省略できます。この省略記法はゾーンファイルの記述を簡潔にするための基本的なルールです。
2. が不正解の理由:
TTL(Time To Live)フィールドは、秒単位の数値で記述するのが基本ですが、BINDではh(時)やm(分)、w(週)などの時間単位を表す省略記法(例: 1h)をサポートしており、使用可能です。また、TTLは$TTLディレクティブでデフォルト値を設定することで、個々のレコードでの記述を省略することもできます。
3. が不正解の理由:
完全修飾ドメイン名(FQDN)として認識させるためには、末尾にドット(.)を付ける必要があります。ドットがない場合、そのNameは相対名として扱われ、$ORIGINディレクティブやゾーン名が付加されてしまいます。
4. が不正解の理由:
ゾーンファイルでは、コメントはセミコロン(;)を使用して記述します。セミコロンは行頭からでも、行の途中(レコードの末尾など)からでも使用でき、セミコロン以降は行末までコメントとして扱われます。
BINDのゾーンファイルに関する詳細は、以下で確認することができます。
https://docs.redhat.com/ja/documentation/red_hat_enterprise_linux/9/html/managing_networking_infrastructure_services/assembly_configuring-zones-on-a-bind-dns-server_assembly_setting-up-and-configuring-a-bind-dns-server
https://docs.oracle.com/ja-jp/iaas/Content/DNS/Reference/formattingzonefile.htm
例題作成者
鯨井 貴博 (LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 ゼウスITトレーニングセンター)