LinuCレベル1 102試験の例題と解説
主題1.07ネットワークの基礎
1.07.1インターネットプロトコルの基礎
LinuCレベル1 102試験の出題範囲から「1.07.1 インターネットプロトコルの基礎」についての例題を解いてみます。
ここでは、標準的なプロトコルである「TCP」と「UDP」の違いについて解説します。
例題
TCPとUDPの特徴の組み合わせとして正しいものを1つ選択してください。
- TCPはコネクションレス型、UDPはコネクション型
- TCPは信頼性が高い、UDPはリアルタイム性が高い
- TCPはブロードキャスト可能、UDPは不可能
- UDPはフロー制御を持つ、TCPは持たない
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2. TCPは信頼性が高い、UDPはリアルタイム性が高い」です。
コンピューターやネットワーク機器同士が通信を行う上での取り決めを「プロトコル」といいます。現在使われている標準的なプロトコル群は「TCP/IP」と呼ばれており、通信処理における役割ごとに階層が分かれて定義されています。その中で、インターネットとアプリケーションの間でデータの受け渡しの役割を担う「トランスポート層」に該当するプロトコルとして「TCP」と「UDP」があります。
「TCP(ransmission Control Protocol)」は、信頼性の高い通信を実現するためのコネクション型のプロトコルです。コネクション型とは、相手に通信データが正しく届いていることを確認しながら通信するものです。フロー制御(途中でエラーになったパケットを再送する、パケットの伝送順序を整えるなど)を行えるため、TCPを利用する上位のプロトコルは通信の信頼性を高めることができます。そのため、完全に正しいデータ通信を行う必要性のある、Webサービス(HTTP/HTTPS)やSSH、メール(SMTP/POP/IMAP)などで使われています。
「UDP(User Datagram Protocol)」は、データ送信のリアルタイム性に重点を置いたコネクションレス型のプロトコルです。コネクション型と違い、コネクションレス型は相手に通信データが正しく届いているかは確認せず、一方的に通信を行います。NTPやDNSなどの頻繁に問い合わせがくるものや、リアルタイムでの通信が重要な音声通話(VoIP)などで使われています。また、TCPと異なり、ブロードキャストやマルチキャストを行うことができます。そのため、IPアドレスが決まっていない機器とも通信をする必要があるDHCPでも使われています。
例題の選択肢について解説します。
1. TCPはコネクションレス型、UDPはコネクション型
誤りです。
TCPはコネクション型で、UDPはコネクションレス型です。
2. TCPは信頼性が高い、リアルタイム性が高い
正しいです。
TCPは通信時にフロー制御を行うため信頼性が高くなります。UDPはフロー制御がなく一方的にデータを送信するため信頼性は低くなりますが、その分データ送信時のリアルタイム性が高くなります。
3. TCPはブロードキャスト可能、UDPは不可能
誤りです。
UDPはブロードキャストならびにマルチキャストができますが、TCPはできません。
4. UDPはフロー制御を持つ、TCPは持たない
TCPは通信時のフロー制御ができますが、UDPはできません。
今回は「TCP」と「UDP」の2つのプロトコルについて解説しました。他にも様々なプロトコルが存在しており、それぞれが適切な役割で、普段私たちが使うインターネット上のサービスを支えています。この機会に、どのプロトコルがどのような役割を持っているのかを知っておくとよいでしょう。
例題作成者
株式会社デージーネット 経営企画室 小倉崇志