LinuCレベル3 3PS試験の例題と解説
主題3PS.01仮想化基盤の構築
1.5仮想化プラットフォームの利用
LinuCレベル3 プラットフォームスペシャリスト試験の出題範囲から「1.5 仮想化プラットフォームの利用」についての例題を解いてみます。
例題
既存の Proxmox VE クラスタへ別ノードを参加させたい。参加先既存クラスタのIPアドレスが 192.168.10.11 の場合、最も適切なコマンドはどれか。
- pvecm create 192.168.10.11
- pvecm add 192.168.10.11
- qm migrate 192.168.10.11
- pvesm add 192.168.10.11
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2. pvecm add 192.168.10.11」です。
Proxmox VE は、オープンソースソフトウェアの仮想化プラットフォームです。DebianベースのLinuxディストリビューションに、KVM(Kernel-based Virtual Machine:カーネルベースの仮想マシン)とLXC(Linux Containers:コンテナ型仮想化技術)の2つの仮想化技術が統合されており、仮想マシンとコンテナを単一のWebインタフェースで管理ができます。
また、仮想マシンのHAやライブマイグレーションといった、複数台でのクラスタリング機能も備えています。Proxmox VE Server Solutions GmbHから提供されており、ライセンスはAGPL 3.0で公開されております。
Proxmox VEにおけるクラスタとは、複数のProxmox VEノードをひとまとまりの管理単位として扱える仕組みです。単体サーバを個別に管理するのではなく、複数ノードをまとめて管理し、仮想マシンやコンテナの配置、移行、HAなどを行いやすくするために利用します。
複数の Proxmox VE ノードを1つのクラスタとして扱うための管理コマンドとして、pvecmを利用します。単体ノードの仮想マシン操作をするqmとは役割が違い、pvecmはあくまで ノード群・クラスタ全体 を管理するためのものです。
Proxmox VE の管理コマンドには、以下のようなものがあります。
pvecm:クラスタを作る、参加させる、状態を見る
qm:VM を作る、起動する、停止する、移動する
pvesm:ストレージを管理する
pvesh:Proxmox VE API をシェルから操作する
次に、各選択肢の解説をします。
1. pvecm create 192.168.10.11
誤りです。
pvecm createは、新しいクラスタを新規作成するコマンドです。
実行例は以下です。
pvecm create <クラスタ名またはIPアドレス> [オプション]
例: cluster01というクラスタを新たに定義する
pvecm create cluster01今回は、既存のクラスタに対しノードを追加するコマンドを選択する必要があるため誤りとなります。
2. pvecm add 192.168.10.11
正しいです。
pvecm addは、既存クラスタへ新しいノードを参加させるコマンドです。
参加する側のノードでpvecm addを実行し、引数には参加先クラスタ側ノードをIPアドレスもしくはホスト名で指定します。
実行例は以下です。
pvecm add <クラスタ名またはIPアドレス> [オプション]
例: 192.168.10.11の既存クラスタに対して、ノードを新たに追加する
pvecm add 192.168.10.113. qm migrate 192.168.10.11
誤りです。
qmは、Proxmox VEにおける、仮想マシンの管理コマンドです。クラスタ参加ではなく、主に VM の作成・起動・停止・設定変更・マイグレーションなどに使います。qm migrateは、仮想マシンをマイグレーションする際に利用するコマンドとなります。
実行例は以下です。
qm migrate <VMID> <ターゲット>
例: VMID200の仮想マシンをnode2へマイグレーションする
qm migrate 200 node2VM を別ノードへ移す操作であって、ノードそのものをクラスタへ参加させる操作ではありませんので、誤りとなります。
4. pvesm add 192.168.10.11
誤りです。
pvesm は Proxmox VE のストレージ管理コマンドです。ストレージ定義の追加・確認・削除や、ボリュームの確認などに使います。
実行例は以下です。
pvesm add <タイプ> <ストレージ> [オプション]
例: /data/storeディレクトリをlocal2として追加し、VMディスクとISOイメージを保存できるようにする
pvesm add dir local2 --path /data/store --content images,isoストレージ管理のコマンドであり今回の用途とは異なるコマンドのため、誤りとなります。
Proxmox VEは、OSSの仮想化プラットフォームとして近年注目されており、仮想環境を運用するための便利な機能が数多く備わっています。Proxmox VEの特徴をよく理解し、より効率的に仮想環境の運用管理が行えるようにしましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット 経営企画室 今村 凌太