LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.07.3基本的なネットワークの問題解決
今回は、LinuC 102試験の試験範囲から「1.07.3 基本的なネットワークの問題解決」についての例題を解いてみます。
ルーティングテーブルを手動で設定する方法について確認しておきましょう。
例題
ルーティングテーブルを手動で設定することができるコマンドを2つ選択してください。
- route
- traceroute
- routetable
- ip
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「1. route」と「4. ip」です。
サブネットの外側の機器とのネットワーク通信を行う場合、ルーティングの設定が必要になります。
Linuxでは、ルーティングの情報はルーティングテーブルに保存され使用されます。
ルーティングテーブルは、routeコマンドやipコマンドで操作することができます。
※routeコマンド
routeコマンドは、ルーティングテーブルの表示や設定を行うことができます。
a) ルーティングテーブルを追加する
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# route add -net 172.16.1.0/24 gw 10.1.0.254
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この例では172.16.1.0/24宛ての通信は10.1.0.254をゲートウェイとして使用するように設定しています。
b) ルーティングテーブルを削除する。
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# route del -net 172.16.1.0/24
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この例では172.16.1.0/24宛てのルーティングテーブルを削除しています。
c) ルーティングテーブルを参照する。
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# route
Kernel IP routing table
Destination Gateway Genmask Flags Metric Ref Use Iface
default gateway 0.0.0.0 UG 100 0 0 ens3
10.1.0.0 0.0.0.0 255.255.0.0 U 100 0 0 ens3
====================================
※ipコマンド
ipコマンドは、ネットワークデバイスの設定を行うことができます。
ルーティングテーブルの表示や設定を行うこともできます。
a) ルーティングテーブルを追加する
====================================
# ip route add 172.16.1.0/24 via 10.1.0.254
====================================
この例では172.16.1.0/24宛ての通信は10.1.0.254をゲートウェイとして使用するように設定しています。
b) ルーティングテーブルを削除する。
====================================
# ip route del 172.16.1.0/24
====================================
この例では172.16.1.0/24宛てのルーティングテーブルを削除しています。
c) ルーティングテーブルを参照する。
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# ip route
default via 10.1.0.1 dev ens3 proto dhcp metric 100
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例題の選択肢を解説します。
- route
正解です。
routeコマンドを使用して、ルーティングテーブルの設定を行うことができます。 - traceroute
誤っています。
tracerouteは、宛先に指定したホストまでのネットワーク経路を一覧表示するためのコマンドです。
ルーティングテーブルを操作するコマンドではありません。 - routetable
誤っています。
このようなコマンドはありません。 - ip
正解です。
ip routeコマンドを使用して、ルーティングテーブルの設定を行うことができます。
ルーティングテーブルの操作方法を覚えておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 大野 公善