Linux豆知識 007

「Linux」と「ディストリビューション」の関係

Linuxとは、本来は「カーネル」のみを指す用語です。5年くらい前はこのことがよく言われたものですが、最近はあまり聞かなくなりました。「LinuxはOSである」という誤解?が一般的になってしまった、ということでしょうか。
ここでの「OS」とは、コンピュータの環境全体を指しています。

しかし、カーネルは、本来はハードウェアとソフトウェアの仲介を行うのが役割ですから、カーネルだけではPCは動作しません。ですから、これに様々なソフトウェアを組み合わせ、OSとして動作するようなパッケージを作るわけです。これが「Linuxディストリビューション」です。最近では、Linuxディストリビューションを「Linux」と呼ぶケースも多いようです(繰り返しになりますが、厳密な意味での呼び方ではありません)。

さて、Linuxカーネルは基本的に1つしかありません(バージョンの違いはありますが)が、Linuxディストリビューションは複数あります。なぜならば、カーネルと組み合わせるソフトウェアは膨大な数存在し、また組み合わせ方 もさまざまだからです。このようにして、さまざまなLinuxディストリビューションが出来上がるのです。

さらにLinuxカーネルも実は複数あります。様々なパッチを当てたもののほか、ディストリビューションごとに独自のカーネルを使っている場合もあります。そこで、kernel.orgで配布されている素のカーネルのことを「vanillaカーネル」と呼んで区別しています。

では、Linuxディストリビューションの数はどれくらいあるのでしょうか。

答えは、ほぼ無限と言えるでしょう。

ディストリビューター(ディストリビューションの配布者)は世界中に存在します。また、商用/非商用、サーバ用途/デスクトップ用途、ある機能に特化したものなどのように考えてもさまざまなものがあります。ディストリビューターが複数のディストリビューションを配布している例もあります。また、あまり知られていないディストリビューションもあるほか、最近ではLinuxディストリビューションの「自作」も流行っています。ですから、ディストリビューションの数は、まさに星の数といえるでしょう。

Linuxディストリビューションの自作。難しそうに聞こえますが、書籍なども出版されていて、皆さんが想像するほど難しくないと思います。機会があればチャレンジしてみてはいかがでしょう?


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