Linux豆知識 064

IPアドレスの枯渇問題

今回は、「IPアドレスの枯渇問題」について。

IPアドレスは、PCを管理したことがあるならば一度は目にしたことがあるでしょう。「192.168.1.254」のような番号です。「アドレス」という名前から「住所」と例えられることが多いのですが、「通し番号」というほうがぴったりくるかもしれません。また、「IPアドレス」は「PC」に割り当てられるというよりも「ネットワークインターフェイス」に割り当てられるという点も注目です。すなわち、一台のPCに1つとは限りません。1台のPCが複数のIPアドレスを持つこともあります。また、最近では家電製品もネットワークに接続できるものが現れてきており、ネットワークインターフェイスを持つ家電製品にも割り当てられます。

IPアドレスの割り当て方などには書籍などに譲りますが、現在主流になっているのは「IPv4」と呼ばれるプロトコルを元にしたものです。この方法ではIPアドレスは32ビットの数値で表されるため、「2の32乗」、すなわち約43億のネットワークインターフェイスにしか割り当てることができません。このため、インターネット上のIPアドレス、つまりグローバルIPアドレスの枯渇が心配されています。ある予測によると、2011年にもIPアドレスが枯渇すると言われています。

そこで、「IPv6」と呼ばれる新しいプロトコルが提唱されています。このプロトコルに依れば、IPアドレスが128ビットで表されるため、「2の128乗」、すなわち約34兆×10兆×1兆個のネットワークインターフェイスを接続することができます。この数であれば枯渇はまず心配ありません。

いいことづくめのようなIPv6ですが、問題点もあります。もっとも大きな問題は、「IPv4と互換性がないため、IPv4からの移行に手間と時間がかかる」という点でしょう。IPv4とIPv6は基本的に全く別のプロトコルですから、移行するためにはソフトウェアやネットワーク機器がIPv4とIPv6の両方に対応する必要があります。また、インターネット全体がIPv6に対応するにはかなりの時間がかかるため、本当に移行できるのかといった問題もあります。

いつかはやってくるであろうIPアドレスの枯渇、どうなるのか、避けて通れない問題と言えるでしょう。


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