Linux豆知識 069

Debian GNU/Linux

今回はLinuxディストリビューション「Debian GNU/Linux」について。

前回までに紹介した「CentOS」「Fedora」は、「Red Hat Linux」系統のLinuxディストリビューションです。一方の「Debian GNU/Linux」(以下、Debian)は、Red Hat Linuxとは全く異なる系譜のLinuxディストリビューションです。多くのLinuxディストリビューションが「Red Hat系列」か、「Debian系列」のどちらかに属しています。

Red Hat系列とDebian系列の何が違うかというと、一番大きいのは「パッケージ管理システム」です。Red Hat系列が「RPM」というパッケージ管理システムを使っているのに対して、Debian系列が「dpkg」というパッケージ管理システムを採用しています。両者の間に互換性はないため、基本的に
「Red Hat系列」のLinuxディストリビューションでDebian系列のパッケージを利用したり、「Debian系列」のLinuxディストリビューションでRed Hat系列のパッケージを利用することはできません。

そしてもう1つ知っておきたいことがあります。Debianは、常に「stable(安定版)」、「testing(テスト版)」、「unstable(不安定版)」の3つのバージョンがリリースされています。正式リリースとされるのは「stable」だけですが、「どんどん新しい機能が取り入れられるunstable版」、「次期正式リリース候補と位置づけられるtesting版」も、誰でも入手できるようになっています。

Debianでは、unstableの中に採り入れられた新しいパッケージが、一定期間致命的なバグが発見されなかった場合、testing版に組み入れられるという仕組みになっています。そして、stable版のリリースが近付くと更新が凍結され、すべてのRelease Criticalバグが解消されると、testingがstable(つまり正式版)としてリリースされます。

Debianの場合、stable版はその名の通り「安定」を重視されてリリースされるため、パッケージが少々「古い」ことが多いようです。一方のtesting版、unstable版は新しい機能が色々と使えますが、「正式リリースでないため、自己責任」となります。

Debianも、さまざまなLinuxディストリビューションのベースとして採用されています。正しく知っておきましょう。


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