Linux豆知識 118
chageコマンド
公開日:2012年12月14日
chageコマンドは、「パスワードの有効期限を指定する」ためのコマンドです。
デフォルトでは、Linuxの一般ユーザ用パスワードに有効期限はありません。すなわち、一回パスワードを設定してしまうと、永久にそのパスワードを使い続けることができます。しかし、本来このことはセキュリティの観点から望ましくありません。長期間同じパスワードを使い続けていると、クラッキング被害に遭うリスクが増えます。パスワードは、定期的に変更するのが望ましい、と言えます。
そこで、パスワードに「○○日間の期限をつける」「期限が切れる前に警告を発する」ように設定することができます。これを実現するのがchageコマンドです。
chageコマンドにはいくつかのオプションがありますが、よく用いられるのは、パスワードの有効日数を指定する「-M 日数 ユーザ名」、パスワードの有効期限の前に警告を表示する「-W 日数 ユーザ名」、有効期限の後にアカウントがロックされるまでの日数を指定する「-I 日数 ユーザ名」でしょう。
ユーザ「foo」のパスワードの有効期限を「150日」に設定する場合は、以下のように実行します(root権限が必要)。
# chage -M 150 foo
また、パスワードが切れる「30日」前に警告を発するには
# chage -W 30 foo
とします。
パスワードの有効期限など、設定状況を知るためには、
$ chage -l foo
と実行します(これは一般ユーザ権限で実行可能です)。
なお、パスワードの期限をどれくらいの長さに設定するか?は、ユーザのログイン頻度を勘案して決めるのがよいでしょう。毎日必ずオンラインでログインするのであれば1~3ヶ月程度に設定するのが現実的でしょう。一方、極端な話、年に1回しかログインされないという場合には、期限を設定しないというのも手です(いつのまにかログインできなくなっている、という恐れもあります)。
意外と知られていないのですが、本来はもっと活用されるべきこのコマンド、LPIC 102の試験範囲であるので、覚えておくだけでなく活用してみてください。