Linux豆知識 183

「/etc/issue」ファイルと「/etc/motd」ファイル

今回は、「/etc/issue」ファイルと「/etc/motd」ファイルについて見ていきましょう。

「/etc/issue」ファイルは、ユーザがログインする前に、ログインプロンプトの前に表示される内容を記述するファイルです。たとえば、Debian GNU/Linux 8の「/etc/issue」ファイルには、以下のように記述されています。

--
Debian GNU/Linux 8 \n \l

--
(注:\マークはバックスラッシュ)

これによって、CUIログインを行う際に次のような表示がなされます。

--
Debian GNU/Linux 8 station001.example.com tty1

station001 login:
--

ファイルに記述されている「\n」や「\l」はシーケンス文字と呼ばれています。たとえば「\n」と書いた場合、「\n」と表示されるわけではなく、ホスト名が表示されます。同様に、「\l」と書いた場合は、仮想コンソールの番号が表示されます。この他にも、いくつかのシーケンス文字が利用できます。

なお、「/etc/issue.net」というファイルもあります。こちらは、SSHなどネットワーク経由でログインを試みる際に表示される内容を記述します。

「/etc/motd」ファイルは、ユーザがログインした後に、ログインプロンプトの前に表示される内容を記述するファイルです。この記述した内容は、ユーザのログイン処理が成功した後に表示されます。

さて、これらのファイルには何を記述するべきかを考えてみて下さい。ユーザに情報を提供するという意味では、さまざまな情報を書いておいた方が親切です。たとえば、システムメンテナンスの予告などをユーザに伝えたい場合、「/etc/motd」ファイルに記述しておくと、ログインに成功したユーザに伝えることができるため、実際によく行われています。しかし、「/etc/issue」と「/etc/issue.net」は、ログインに成功しなくても表示されてしまうメッセージなので、不特定多数、場合によっては悪意ある人物に対しても情報を提供してしまう可能性があります。そのことも頭に入れた上で編集を行うのが適切な活用方法でしょう。

「/etc/issue」ファイルはログイン前、「/etc/motd」ファイルはログイン後のメッセージを記述するファイル。しっかり覚えておきましょう。


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