Linux豆知識 195

「/var/crash」ディレクトリ

今回は、「/var/crash」ディレクトリについて。

「/var/crash」ディレクトリは、カーネルダンプを取得する際に利用されるディレクトリです。このカーネルダンプと呼ばれるものはあまり知られていないようですが、トラブル解決に有用なものですので覚えておくとよいでしょう。

カーネルダンプとは、カーネルがクラッシュした時に、メモリの状態をストレージに保存する機能です。通常のアプリケーションのクラッシュと異なり、カーネルのクラッシュでは通常の手段では状態の把握が難しいため、クラッシュの原因を突き止めることが難しくなります。そこで用意されたのが「カーネルダンプ」という仕組みです。

「カーネルダンプ」の方法としては、カーネルがクラッシュした際に、メモリダンプ用の別のカーネルが起動してシステムの状態を把握し、情報を採取するという方法がとられます。その情報をファイルに書き出すことで、システムをリブートしたときにユーザがクラッシュ時の状態を把握できるようになるのです。このファイルが書き出されるのが、「/var/crash」ディレクトリです。

カーネルダンプはデフォルトでは設定されていないことが多く、広く浸透しているとは言いがたい機能ではあります。しかし、重要なシステムを稼働させる場合にはトラブル解決が必要となるため、その際に非常に有用な機能ですので、ぜひ覚えておいてください。


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