LinuCレベル1 101試験の例題と解説
1.05.2ハードディスクのレイアウトとパーティション
今回は、101試験の試験範囲から、「1.05.2 ハードディスクのレイアウトとパーティション」についての例題を解いてみます。
今回はパーティションを操作するコマンドについて確認しておきましょう。
例題
パーティションを操作するコマンドと説明の組み合わせで正しいものを2つ選択してください。
- fdisk … GPTでのパーティションの作成や削除を行うことができる
- gdisk … GPTでのパーティションの作成や削除を行うことができる
- parted … GPTでのみパーティションの作成や削除を行うことができる
- parted … GPTとMBRどちらでもパーティションの作成や削除を行うことができる
解答と解説
正解は、「2. gdisk … GPTでのパーティションの作成や削除を行うことができる」と「4. parted … GPTとMBRどちらでもパーティションの作成や削除を行うことができる」です。
パーティションテーブルの方式には、MBR(Master Boot Record)とGPT(GUID Partition Table)があります。
従来の管理方式であるMBRでは、扱えるハードディスクの容量は2TBまでとなっており、基本パーティションは4個作成できます。
一方で最新の管理方式であるGPTでは、2TBの制限がなくなりパーティションも最大128個まで作成することができます。
選択肢の解説は以下です。
[1. fdisk … GPTでのパーティションの作成や削除を行うことができる]
▶︎誤りです。
fdiskコマンドは、MBRでのパーティション操作を行うことができますが、GPTには対応していません。
fdiskコマンドでは、対話形式でMBRでのパーティションの作成・削除・変更ができます。対話形式の際に利用できる主なサブコマンドは以下の通りです。
l … 利用可能なパーティションタイプを表示します
n … 新規パーティションを作成します
d … パーティションを削除します
p … パーティション情報を表示します
t … パーティションタイプを変更します
w … パーティション情報の変更を保存して終了します
q … パーティション情報の変更を保存しないで終了します
m … ヘルプメニューを表示します
[2. gdisk … GPTでのパーティションの作成や削除を行うことができる]
▶︎正解です。
gdiskコマンドは、GPTでのパーティション操作を行うことができます。
gdiskコマンドはfdiskコマンド同様、対話形式でパーティションの作成・削除・変更などが行えます。
パーティションの作成(n)や削除(d)など、基本的なコマンドはfdiskコマンドと共通となっています。
[3. parted … GPTでのみパーティションの作成や削除を行うことができる]
▶︎誤りです。
partedコマンドは、GPTとMBRどちらの管理方式でもパーティション操作を行うことができます。
[4. parted … GPTとMBRどちらでもパーティションの作成や削除を行うことができる]
▶︎正解です。
partedコマンドはfdiskコマンド同様、対話形式でパーティションの作成・削除・変更などが行えます。
ただし、fdiskやgdiskのように「保存せずに終了する」というコマンドはありません。入力したサブコマンドがすぐに保存されるので注意が必要です。
主なサブコマンドは以下の通りです。
check 番号 | ファイルシステムの簡単なチェックを行います |
mklabel [gpt|msdos] | 新しいパーティションテーブルを作成します |
mkpart 種類1 種類2 開始 終了 | 指定した種類のパーティションを作成します |
rm 番号 | 指定した番号のパーティションを削除します |
パーティションテーブルを表示します | |
quit | partedを終了します |
パーティションテーブルの方式によって利用できるコマンドが変わってきます。
ディスク上に作成したパーティションを変更したいときなど、それぞれで使用するコマンドについて、しっかりと押さえておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本知里