LinuCレベル1 102試験の例題と解説
1.09.1システム時刻の管理
今回は LinuC 102試験の試験範囲から「1.09.1 システム時刻の管理」についての例題を解いてみます。
例題
タイムゾーンを日本に設定する方法として正しいものを2つ選択してください。
- echo "Asia/Tokyo" > /etc/localtime
- ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
- export TIMEZONE="Asia/Tokyo"
- export TZ="Asia/Tokyo"
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
答えは「2. ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime」と「4. export TZ=Asia/Tokyo」です。
共通の標準時を使う地域をタイムゾーンと言います。
Linuxシステムの時間帯を正しく表示するためには、タイムゾーンを設定する必要があります。
タイムゾーンの設定情報は /usr/share/zoneinfo ディレクトリに配置されています。
システムが使用するタイムゾーンは、上記のディレクトリに含まれるファイルを /etc/localtime にシンボリックリンクまたはコピーすることで設定することができます。
例えば、タイムゾーンを日本に設定する場合は以下のコマンドを実行します。
# ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
または
# cp /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
また、タイムゾーンは環境変数TZでも設定することができます。
環境変数TZは以下のように設定します。
$ export TZ="Asia/Tokyo"
例題の選択肢について解説します。
1. echo "Asia/Tokyo" > /etc/localtime
誤っています。
/etc/localtimeは/usr/share/zoneinfoに配置されているタイムゾーン情報ファイルの内容をコピーする必要があります。
"Asia/Tokyo"という文字列を設定しても、正しくタイムゾーンは設定されません。
2. ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
正しいです。
3. export TIMEZONE="Asia/Tokyo"
誤っています。
TIMEZONEという環境変数は使われません。
4. export TZ="Asia/Tokyo"
正しいです。
環境変数TZを使用してタイムゾーンを設定することができます。
タイムゾーンを設定する方法を把握しておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 大野 公善 氏