LinuCレベル3 300試験の例題と解説
392.3Sambaの保守
LinuC 300試験の試験範囲から「392.3 Sambaの保守」についての例題を解いてみます。Sambaの接続状態を確認するコマンドについて確認しておきましょう。
例題
現在Sambaに接続しているホストの一覧を表示するコマンドで正しいものを1つ選択してください。
- smbcontrol all staus
- smbstatus -S
- smbcontrol all reload-config
- smbstatus -L
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2. smbstatus -S」です。
smbstatusコマンドは現在Sambaに接続しているコネクション情報やロック状態を表示するコマンドです。
出力に関するオプションには以下のようなものがあります。
-b|--brief | :簡単な出力を表示 |
-u|--user=<username> | :指定されたユーザーに関する情報のみを表示 |
-L|--locks | :ロックされたファイルの一覧を表示 |
-S|--shares | :接続の一覧を表示 |
-p|--processes | :プロセス一覧を表示 |
それでは、選択肢を見ていきます。
1. smbcontrol all staus
誤りです。
smbcontrolコマンドは起動中のsmbd、nmbd、winbinddの各デーモンにメッセージを送信するコマンドです。
書式は以下の通りです。
smbcontrol [destination] [message-type] [parameters]
[destination]には、smbd、nmbd、winbinddの各デーモン名か、プロセスIDを指定します。動いているデーモン全てにメッセージを送りたい場合は、allを指定することもできます。
[destination]に指定したプロセスに対し、[message-type]に指定したメッセージの操作することができます。[message-type]には以下のようなものがあります。
close-share | :smbdに対し、指名した共有に接続しているクライアントの接続を閉じるように命令する |
ping | :[parameter]で指定された数だけの"ping"メッセージを送信し、同じ数だけの"ping"メッセージの応答を待つ |
shutdown | :指定されたデーモンを落とすことができる |
reload-config | :デーモンにsmb.conf設定ファイルの再読み込みを強制させる |
なお、選択肢にあるstausという[message-type]はありません。
2. smbstatus -S
正解です。
smbstatusコマンドに-Sオプションをつけることで、現在Sambaに接続しているホストの一覧を表示することができます。
実行すると以下のように表示されます。
# smbstatus -S
Service pid Machine Connected at Encryption Signing
---------------------------------------------------------------------------------------------
Share 9341 192.168.20.74 火 10月 27 17時08分25秒 2020 JST - -
この場合、「192.168.20.74」のホストから、共有名「Share」へ接続されていることがわかります。
よって[2]が正解となります。
3. smbcontrol all reload-config
誤りです。
[message-type]にreload-configを指定した場合、smb.conf設定ファイルの再読み込みを行います。
この選択肢の場合、[destination]にallを指定しているため、nmbdとwinbindを含む、動いているデーモンすべてにsmb.conf設定ファイルの再読み込みを強制させます。
4.smbstatus -L
誤りです。
smbstatusコマンドに-Lオプションを指定した場合、ロックされたファイルの一覧が表示されます。
実行すると以下のように表示されます。
# smbstatus -L
Locked files:
Pid User(ID) DenyMode Access R/W Oplock SharePath Name Time
--------------------------------------------------------------------------------------------------
9341 65534 DENY_NONE 0x100081 RDONLY NONE /samba/share . Tue Oct 27 17:08:30 2020
9341 65534 DENY_NONE 0x100081 RDONLY NONE /samba/share . Tue Oct 27 17:08:30 2020
9341 65534 DENY_NONE 0x100080 RDONLY NONE /samba/share . Tue Oct 27 17:08:59 2020
稼働中のSambaにどのホストが接続しているのかなど、Sambaの接続状況を確認することは保守を行う際に必須です。
コマンドのオプションと合わせて確認し、使えるようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本 知里