LinuCレベル2 201試験の例題と解説
2.01.5カーネル実行時における管理とトラブルシューティング
今回はLinuCレベル2 201試験の試験範囲から「2.01.5 カーネル実行時における管理とトラブルシューティング」についての例題を解いてみます。
ここでは、カーネルバージョンに調べ方について確認していきましょう。
例題
カーネルバージョンを確認することのできるコマンドを全て選択してください。
- hostname
- uname -r
- cat /etc/profile
- cat /proc/version
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「2.uname -r 」と「4.cat /proc/version 」です。
Linuxカーネルには、「Linux 4.19.0」のようにバージョン番号がついています。この番号が大きいと新しいカーネルということになります。
現在稼働しているカーネルバージョンを調べる方法には以下があります。
- uname コマンドで調べる
- /proc/version ファイルを確認する
それでは、選択肢を見ていきます。
1.hostname
誤りです。
hostnameコマンドは、システムのホスト名を表示するコマンドです。
2.uname -r
正解です。
uname コマンドは、システム情報を表示するコマンドです。
unameコマンドの主なオプションは以下の通りです。
-a | : | すべての情報を表示 |
-s | : | カーネル名を表示 |
-r | : | カーネルバージョンを表示 |
-m | : | ハードウェアアーキテクチャを表示 |
-o | : | OSを表示 |
上記にあるように、「-r」 オプションを指定することでカーネルバージョンを表示することができます。
よって「2」は正解です。
3.cat /etc/profile
誤りです。
「/etc/profile」ファイルは、ログイン時に読み込まれるファイルで、環境変数などを設定するためのファイルです。
4.cat /proc/version
正解です。
「/proc」ディレクトリは、システムの状態などがファイルとして保管されている特殊なディレクトリです。このディレクトリにある「/proc/version」ファイルは、カーネルのバージョン情報が格納されたファイルです。
以下のように、カーネルバージョンを確認することができます。
$ cat /proc/version
Linux version 5.4.0-56-generic (buildd@lgw01-amd64-025) (gcc version 9.3.0 (Ubuntu 9.3.0-17ubuntu1~20.04)) #62-Ubuntu SMP Mon Nov 23 19:20:19 UTC 2020
この他に、カーネルソースからコンパイルしたカーネルを利用している場合は、カーネルのMakefileを参照することで、カーネルバージョンを確認することもできます。
実際にコマンドを実行してみるなどし、カーネルバージョンを確認できるようにしておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 橋本 知里