LinuCレベル3 304試験の例題と解説

334.2ロードバランスクラスタ

LinuCレベル３ 304試験の試験範囲から「334.2 ロードバランスクラスタ」についての例題を解いてみます。このテーマは重要度も高く、実践の場におけるロードバランスクラスタ構成を理解することにも役に立ちます。
各設定パラメータの内容などしっかりと把握しておきましょう。

Linucレベル3 304試験出題範囲

例題

keepalived.confにおいて、VRIDおよび、VRRPの優先度を設定するパラメータ(2つ)を選択せよ。

priority
vrid
virtual_router_id
vrrp_priority

※この例題は実際の試験問題とは異なります。

解答と解説

正解は、「1.priority」および「3.virtual_router_id」です。

keepalivedでは、冗長プロトコルVRRPを用いて冗長ルータを構成することができます。

仮想IPアドレス(VIP)の提供、実サーバ(バックエンド)への振り分け・ヘルスチェックなどの機能を利用可能であり、設定ファイルであるkeepalived.confに設定内容を記載します。

今回の例題で扱ったVRRPインスタンスに関しては、以下のパラメータを使用します。

interface	：	冗長対象のインターフェイス名
virtual_router_id	：	VRID
priority	：	優先度
virtual_ipaddress	：	仮想IPアドレス

以下は、2台のkeepalivedで冗長インスタンスを使って仮想IPアドレスを提供する設定例です。

keepalived1の設定内容

[root@keepalived1 ~]# cat /etc/keepalived/keepalived.conf
! Configuration File for keepalived

global_defs {
   router_id LVS_DEVEL
   vrrp_skip_check_adv_addr
   #vrrp_strict
   vrrp_garp_interval 0
   vrrp_gna_interval 0
}

vrrp_instance VI_1 {
    interface eth0
    virtual_router_id 51
    priority 100
    advert_int 1
    virtual_ipaddress {
        192.168.1.170/32
    }
}

vrrp_instance VI_2 {
    interface eth0
    virtual_router_id 52
    priority 1
    advert_int 1
    virtual_ipaddress {
        192.168.1.171/32
    }
}

keepalived2の設定内容

[root@keepalived2 ~]# cat /etc/keepalived/keepalived.conf
! Configuration File for keepalived

global_defs {
   router_id LVS_DEVEL
   vrrp_skip_check_adv_addr
   #vrrp_strict
   vrrp_garp_interval 0
   vrrp_gna_interval 0
}

vrrp_instance VI_1 {
    interface eth0
    virtual_router_id 51
    priority 1
    advert_int 1
    virtual_ipaddress {
        192.168.1.170/32
    }
}

vrrp_instance VI_2 {
    interface eth0
    virtual_router_id 52
    priority 100
    advert_int 1
    virtual_ipaddress {
        192.168.1.171/32
    }
}

なお、keepalived.confの詳細設定については、以下のリンクで確認できます。
https://manpages.debian.org/unstable/keepalived/keepalived.conf.5.en.html