LinuCレベル3 300試験の例題と解説

397.1 CIFS連携

今回は、LinuC 300試験の試験範囲から「397.1 CIFS連携」についての例題を解いてみます。

■トピックの概要
このトピックの内容は以下の通りです。

<397.1 CIFS連携>
重要度 3

<説明>
混在環境におけるCIFSの使い方に習熟している。

<主要な知識範囲>
* SMB/CIFSの概念を理解する 
* LinuxクライアントからリモートCIFS 共有にアクセスしマウントする
* CIFS認証情報を安全に保存する
* CIFSの機能と利点を理解する
* リモートCIFS 共有のファイル所有権および許可について理解する

<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
* SMB/CIFS
* mount、 mount.cifs
* smbclient
* smbget
* smbtar
* smbtree
* findsmb
* smb.conf
* smbcquotas
* /etc/fstab

■例題
CIFSファイルシステムをマウントするmountコマンドのオプションの説明として、誤っているものを選択してください。

1. username=<user>
   CIFSに接続するユーザ名を<user>に指定する。
2. password=<password>
   CIFSに接続するパスワードを<password>に指定する。
3. secret=<filename>
   CIFS接続時に使用するユーザ、パスワード、ドメインを記載したファイルを<filename>に指定する。
4. uid=<username or uid>
   マウントされたファイルシステムの全ファイル・ディレクトリの所有者を<username or uid>に設定する。

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

答えは「3. secret= CIFS接続時に使用するユーザ、パスワード、ドメインを記載したファイルをに指定する。」です。

CIFS(Common Internet File System)は、Windowsのファイル共有であるSMBをWindows以外でも使用できるようにしたものです。
LinuxはCIFSに対応しており、LinuxクライアントからリモートのCIFS共有領域をマウントすることができます。

CIFSをマウントする場合、以下のようにmountコマンドを実行します。

# mount -t cifs -o rw,uid=2000,gid=2000,username=user01,password=pass01 //SV01/share /share

上記の例では、CIFSサーバSV01上の共有領域shareを/shareにマウントしています。
ユーザ、パスワードをファイルに記載しておき、マウント時にそのファイルを指定することもできます。

# mount -t cifs -o rw,uid=2000,gid=2000,credentials=/etc/secret/cifs //SV01/share /share

Linux起動時にCIFSの自動マウントを行いたい場合、/etc/fstabにマウント情報を記載する必要があります。
/etc/fstabはすべてのユーザが参照できるようになっているため、パスワードを直接設定するのはセキュリティ上問題があります。この場合、credentials オプションを使用するのがよいでしょう。

それぞれの選択肢について解説します。

1. username=<user>
   CIFSに接続するユーザ名を<user>に指定する。
正しいです。
CIFSマウント時に使用するユーザは username または user オプションで指定します。
username オプションを省略した場合、環境変数 USER の値が使用されます。

2. password=<password>
   CIFSに接続するパスワードを<password>に指定する。
正しいです。
CIFSマウント時に使用するパスワードは password オプションで指定します。
password オプションを省略すると、環境変数 PASSWD の値が使用されます。
環境変数 PASSWD も設定されていない場合、パスワード入力プロンプトが表示されます。

3. secret=<filename>
   CIFS接続時に使用するユーザ、パスワード、ドメインを記載したファイルを<filename>に指定する。
誤っています。
CIFS接続時のユーザ、パスワードを記載したファイルを指定する場合は credentials オプションを使用します。

4. uid=<username or uid>
   マウントされたファイルシステムの全ファイル・ディレクトリの所有者を<username or uid>に設定する。
正しいです。
uid オプションを指定してCIFSマウントをすると、マウントポイント配下のファイルやディレクトリの所有者がすべてuidで指定したユーザになります。同じように gid オプションを指定すると、所有グループがgidで指定したグループになります。

CIFS共有領域をマウントする時のmountコマンドのオプションを把握しておきましょう。

■例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 大野公善

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