LinuCレベル3 300試験の例題と解説
396.2アクティブディレクトリの名前解決
LinuCレベル3 300試験の出題範囲から「396.2 アクティブディレクトリの名前解決」についての例題を解いてみます。
Samba4をアクティブディレクトリドメインコントローラとして使用する場合のDNSサーバの設定方法について取り上げています。
例題
Samba4をアクティブディレクトリドメインコントローラとして使用する場合、samba-tool dns コマンドでDNSの管理を行うことができます。samba-tool dns の説明について、誤っているものを選択してください。
- samba-tool dns add は、DNSレコードを追加する。
- samba-tool dns delete は、DNSレコードを削除する。
- samba-tool dns zoneadd は、DNSゾーンを追加する。
- samba-tool dns zonedelete は、DNSゾーンを削除する。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「3. samba-tool dns zoneadd は、DNSゾーンを追加する。」です。
Samba4をアクティブディレクトリドメインコントローラとして使用する場合、DNSの機能が必要となります。Samba4には内部DNSサーバの機能があり、他のソフトウェアを使用することなく、DNSサーバ機能を提供することができます。
Samba4のDNSを管理するためには、samba-tool dns コマンドを使用します。samba-tool dns コマンドを使用すれば、DNSレコードの追加や削除、DNSゾーンの追加や削除を行うことができます。
samba-tool dns の利用方法を紹介します。
DNSゾーンを追加する際には、zonecreate サブコマンドを使用します。
$ samba-tool dns zonecreate 127.0.0.1 example.jp -U administrator
Password for [EXAMPLE\administrator]:XXXXXXXX
Zone example.jp created successfully
上記の例では、example.jp ゾーンを追加しています。DNSゾーンの一覧を表示して、example.jp ゾーンが追加されていることを確認してみます。DNSゾーンの一覧を表示する際には、zonelist サブコマンドを使用します。
$ samba-tool dns zonelist 127.0.0.1 -U administrator
Password for [EXAMPLE\administrator]:
3 zone(s) found
pszZoneName : example.jp
Flags : DNS_RPC_ZONE_DSINTEGRATED DNS_RPC_ZONE_UPDATE_SECURE
ZoneType : DNS_ZONE_TYPE_PRIMARY
Version : 50
dwDpFlags : DNS_DP_AUTOCREATED DNS_DP_DOMAIN_DEFAULT DNS_DP_ENLISTED
pszDpFqdn : DomainDnsZones.example.com
pszZoneName : example.com
Flags : DNS_RPC_ZONE_DSINTEGRATED DNS_RPC_ZONE_UPDATE_SECURE
ZoneType : DNS_ZONE_TYPE_PRIMARY
Version : 50
dwDpFlags : DNS_DP_AUTOCREATED DNS_DP_DOMAIN_DEFAULT DNS_DP_ENLISTED
pszDpFqdn : DomainDnsZones.example.com
pszZoneName : _msdcs.example.com
Flags : DNS_RPC_ZONE_DSINTEGRATED DNS_RPC_ZONE_UPDATE_SECURE
ZoneType : DNS_ZONE_TYPE_PRIMARY
Version : 50
dwDpFlags : DNS_DP_AUTOCREATED DNS_DP_FOREST_DEFAULT DNS_DP_ENLISTED
pszDpFqdn : ForestDnsZones.example.com
example.jp ゾーンが追加されていることが確認できました。
続いて、DNSレコードを追加してみます。DNSレコード追加する際には、add サブコマンドを使用します。
$ samba-tool dns add 127.0.0.1 example.jp host01 A 172.16.100.1 -U administrator
Password for [EXAMPLE\administrator]:XXXXXXXX
Record added successfully
DNSレコードが追加されたことを確認してみましょう。登録されているDNSレコードの確認には、query サブコマンドを使用することができます。
$ samba-tool dns query 127.0.0.1 example.jp host01 A -U administrator
Password for [EXAMPLE\administrator]:
Name=, Records=1, Children=0
A: 172.16.100.1 (flags=f0, serial=2, ttl=900)
example.jp ゾーンに、host01 のAレコードが追加されていることが確認できました。
例題の選択肢を確認してみましょう。
1.samba-tool dns add は、DNSレコードを追加する。
正しい内容ですので、選択肢としては誤りとなります。
add サブコマンドは、DNSレコードを追加することができます。
2.samba-tool dns delete は、DNSレコードを削除する。
正しい内容ですので、選択肢としては誤りとなります。
delete サブコマンドを使用すると、登録されているDNSレコードを削除することができます。
3.samba-tool dns zoneadd は、DNSゾーンを追加する。
誤った内容ですので、選択肢としては正解です。
DNSゾーンを追加する際には、zonecrate サブコマンドを使用します。zoneadd というサブコマンドはありません。
4.samba-tool dns zonedelete は、DNSゾーンを削除する。
正しい内容ですので、選択肢としては誤りとなります。
zonedelete サブコマンドを使用すると、登録されているDNSゾーンを削除することができます。
samba-tool dns の使用方法を確認し、Samba4 のアクティブディレクトリのDNS管理方法を把握しておきましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 大野 公善