LinuCレベル3 304試験の例題と解説
334.1高可用性の概念と理論
LinuCレベル3 304試試験の出題範囲から「334.1 高可用性の概念と理論」についての例題を解いてみます。
可用性の指標となるMRBF/MTTRについて理解しましょう。
例題
MTBFとMTTRの説明について、誤っているものを選択してください。
- MTBFは、平均故障間隔のことで、故障が発生してから次の故障が発生するまでの平均時間を表す。
- MTTRは、平均復旧時間のことで、故障が発生してから復旧するまでの平均時間を表す。
- 一般的に、MTBFが長いほど、システムの可用性は高くなる。
- 一般的に、MTTRが長いほど、システムの可用性は高くなる。
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、「4. 一般的に、MTTRが長いほど、システムの可用性は高くなる。」です。
MTBFは、Mean Time Between Failuresの略で、平均故障間隔のことです。システムに故障が発生して復旧してから、次の故障が発生するまでの平均時間を表します。
MTBFは次の式で計算することができます。
MTBF = 稼働時間 ÷ 故障回数
MTBFは、その値が長いほど、システムの可用性が高いことになります。
MTTRは、Mean Time To Repairの略で、平均復旧時間のことです。システムに故障が発生した際の復旧までに要した時間を表します。
MTTRは次の式で計算することができます。
MTTR = 故障時間 ÷ 故障回数
MTTRは、その値が短いほど、システムの可用性が高いことになります。
システムの可用性は稼働率で表すことがありますが、稼働率はMTBFとMTTRから計算することができます。
稼働率 = MTBF ÷ ( MTBF + MTTR )
稼働率が高いほど、システムが稼働している時間が長いことになり、可能性が高いということになります。
例題の選択肢を確認してみましょう。
1.MTBFは、平均故障間隔のことで、故障が発生してから次の故障が発生するまでの平均時間を表す。
正しい説明です。
2.MTTRは、平均復旧時間のことで、故障が発生してから復旧するまでの平均時間を表す。
正しい説明です。
3.一般的に、MTBFが長いほど、システムの可用性は高くなる。
正しい説明です。
4.一般的に、MTTRが長いほど、システムの可用性は高くなる。
誤った説明です。
MTTRは、故障が発生してから復旧までに要する時間を表します。この値が短いほど、システムの可用性は高くなります。
選択肢としては、正解です。
MTBFやMTTRについて理解して、クラスタシステムの設計時に役立てましょう。
例題作成者
株式会社デージーネット OSS研究室 大野 公善