LinuCレベル3 304試験の例題と解説
334.3フェイルオーバークラスタ
304試験の試験範囲から「334.3 フェイルオーバークラスタ」についての例題を解いてみます。このテーマでは、Pacemakerクラスタを設定・構成する、保守・トラブルシュートをするためのコマンド・設定などが含まれます。
重要度も6と高く、クラスタサーバを構成・管理するために実践で使用される内容が多いので、コマンド出力の見方や設定項目などしっかりと把握しておきましょう。
例題
以下の「crm_mon –rfA」の出力から読み取れるものとして、誤っているものを1つ選択せよ。
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Last updated: Thu Jan 14 11:54:50 2019
Stack: Heartbeat
Current DC: srv2 (fc55d32e-db6f-4989-9ab2-fcb7433f13bf) – partition with quorum
Version: 1.0.13-a83fae5
2 Nodes configured, unknown expected votes
2 Resources configured.
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Online: [ master slave ]
Full list of resources:
Master/Slave Set: ms_drbd0
Masters: [ master ]
Slaves: [ slave ]
Resource Group: rg_http
res_ip (ocf::heartbeat:IPaddr2): Started master
res_filesystem (ocf::heartbeat:Filesystem): Started master
res_httpd (ocf::heartbeat:apache): Started master
Node Attributes:
* Node master:
+ master-res_drbd0:0 : 10000
+ slave-eth0 : up
* Node slave:
+ master-eth0 : up
+ master-res_drbd0:1 : 10000
Migration summary:
* Node master:
* Node slave:
- masterサーバ/slaveサーバの2台の冗長構成である
- slaveサーバは「OFFLINE」となっている
- eth0(NIC)の監視を実施している
- リソースクラスとして、OCFが使用されている
※この例題は実際の試験問題とは異なります。
解答と解説
正解は、 「2.slaveは「OFFLINE」となっている」です。
正しくは、master/slaveともに「Online」となっている、となります。crm_monコマンドは、クラスタ構成の動作状態をモニタリングするコマンドとなります。
今回使用しているコマンドオプションは、以下のような意味を持ちます。
-r,--inactive:インアクティブなリソースを表示
-f,--failcounts:リソースのfailカウントを表示
-A,--show-node-attributes:ノードのattributesを表示
※その他を含めたオプション詳細は、こちらで確認できます。
また「crm_mon –rfA」で出力される項目は、以下のような意味を持っています。
- アクティブなサーバは「Online:」、インアクティブなサーバは「OFFLINE:」という欄に表示
- どちらのサーバがMaster(もしくはSlave)かは、「Master/Slave Set:」という欄に表示
- どちらのリソースが使用されているかは、「Resource Group:」という欄に表示
- eth0(NIC)の監視などの属性情報は、「Node Attributes:」という欄に表示
- 故障回数の情報は、「Migration summary:」という欄に表示
なお、今回の出題に関する概要・マニュアル・インストールパッケージなどについては、Linux-HA Japanのサイトにまとまってますので、目を通しておくと良いでしょう。http://linux-ha.osdn.jp/wp/
例題作成者
鯨井 貴博 氏
(LinuCエヴァンジェリスト/登録インストラクター、LPI-Japanアカデミック認定校 Zeus IT Camp)